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創業以来のタレが生きる鰻屋&カツカレー発祥の店を紹介

『初小川』の鰻重・上

 スタミナ食としてポピュラーなのは、なんといっても鰻、カレー、とんかつだろう。人気コミック『深夜食堂』の作者・安倍夜郎氏がガイドする滋養強壮メシから、江戸職人の伝統の味が受け継がれている鰻の名店と、カツカレー発祥の店を紹介する。

●初小川

 夏バテ対策に鰻を食べるという文化の歴史は古く、万葉集には「石麻呂に われ物申す 夏痩せに 良しといふ物ぞ 鰻捕り喫せ」という大伴家持が詠んだ和歌が収められている。鰻は奈良時代から精のつくスタミナ食として食べられていたことが窺い知れるが、旬は秋から冬にかけてで、一年中安定して脂が乗った鰻が食べられるようになったのは養殖技術が発達したおかげだ。

 東京で旨い鰻が食べたいと思ったら、浅草ははずせない。なかでも江戸職人の伝統の味が受け継がれている初小川は鰻本来の味を存分に味わえる。

 観光客への対応であらかじめ仕込んでおく店も多いが、当店は注文を受けてから捌き始める昔ながらのスタイル。創業の明治40年以来つぎ足しているタレは、やや辛めで鰻本来の甘味を引き出す。少し硬めに炊いた奥鬼怒産のコシヒカリとの相性がよく、絶妙でさっぱりとした味わいだ。七輪の炭火でふっくらと焼き上げた鰻は期待を裏切らない旨さだ。写真は鰻重・上で4300円。

【店舗情報】
・東京都台東区雷門2-8-4
・営業時間:12時~14時(L.O.13時半)、17時~20時(L.O.19時半)
・定休日:不定休(要予約)

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