レイズのユニフォームを着た筒香(時事通信フォト)
想像がつかないのはグラウンド内ですね。よく「動く球への対応はどう考えていますか」と聞かれますが、体感したことがないので答えようがない。メジャーのテレビ中継を見ると、凄い変化球を投げているように見える。ただ、日本の中継とカメラの角度が違います。日本の投手と比べて曲がりがどのくらい違うのか? 打席に立ってみないとわからないというのが正直な気持ちです。だから自信がありますかと聞かれて、あるとも言えない。内野を守ることも同じですね。準備は当然しますが、とにかく行ってみないと分からない。
〈NPBで10年間プレーしての決断は満を持しての挑戦にも見えるが、今年は東京五輪が開催される。筒香は2015年のプレミア12、2017年のWBCで侍ジャパンの4番を務めてきた。「自国開催の五輪は一生に一度」と出場を熱望する選手が多い中、違う道を選んだ。MLBは東京五輪への選手派遣に慎重な姿勢を崩しておらず、筒香も代表入りは難しい〉
◆これも「運命」
侍ジャパンは球界を代表する選手と刺激し合える貴重な機会だったので財産になっています。なかでも「侍ジャパンの4番」は特別な場所です。元々、4番は打席の結果ひとつで、流れを良くも悪くも変えることができるポジションだと思っています。DeNAの時も責任感はありましたが、国際試合は過去に対戦がほとんどない投手を相手に日の丸を背負って戦う。言葉にできない独特の重圧や責任感があります。WBCでは全試合(7試合)で4番で使ってもらい、一定の成績を残せましたが(3割2分、3本塁打)、チームは準決勝で敗退してしまった。今も悔しさは忘れません。
昨年11月のプレミア12で4番に座った広島の鈴木(誠也)選手(25)が東京五輪でも4番として引っ張ってほしい。2017年のWBCなどで一緒になりましたが、彼のプレーは日本中を元気にする力がある。プレミア12で見せた圧倒的な成績(首位打者、最多打点、最多得点の三冠で大会MVP)を見れば、僕よりよっぽど素晴らしい4番だと思います。