ロマンポルノでは小沼監督をはじめ、いろんな監督から映像の演技がどういうものかを教えてもらいました。学びの場所でしたね。それに規模が小さくてコミュニケーションが密だからこそわかったことも多かったです。
自由度が高くて、現場でみんなで作っていくという感覚も強かった。今と違って自主映画が上映しにくい時代でしたからね。もし当時の状況が今と同じようだったら、ロマンポルノに限らずいろんな監督と自主映画を製作していたかもしれません。
ロマンポルノはあくまでも映画作品なんですが、セックスの演技指導はしないので、役者の個人的な性の癖が出ちゃうこともありましたね。
【プロフィール】1951年生まれ。近年は『追憶』(2017)、『羊の木』(2018)に出演。
※週刊ポスト2020年2月21日号