ところが急転直下、韓国で爆発的に国内感染が進んでいることが明らかになった。その震源地は、韓国南東部に位置する慶尚北道の大邱市。「新天地イエス教会」というキリスト教系新興宗教の礼拝の場で、感染が拡大したとされる9日の礼拝には1000人以上の信者が集まっていたという。これを受けて文大統領は直ちに集会を控えるよう声明を出し、さらにソウル市は、旧市街の中心部である光化門で日常行われるデモを当面禁止した。
今回の一件で、文在寅大統領の支持層にも不満が募っている。
「早いうちから武漢など感染が広がっている地域との往来を遮断していればこんなことにならなかったのに、文大統領は習近平の顔色を窺って、それができなかった。私は文大統領に投票したけど、街中の経済は停滞続きで不信感がありました。さらに今回のことで、決断力がないことがわかりました。感染者がこんなに多くなる前は防疫対策はやっていると言っていましたが、マニュアル通りにやっていただけじゃないでしょうか。今では文大統領に投票したことを後悔しています」(ソウル市内で飲食業を営む40代の女性)
文大統領としては、2月半ばに新型コロナを終息させれば、4月に行われる予定の韓国国会議員選挙で与党が有利になるという目算があったはずだ。だが、事ここに至り、先行きは全く不透明になってしまったと言える。