未だに続くマスク争奪戦(AFP=時事)
それから、このところ各自治体が個々の感染経路をようやく明らかにし始めたけど、感染源となった人の行動を見ると、ひどい人がいるね。ダイヤモンド・プリンセス号から下船したその日にスポーツクラブに行って風呂に入ったり、自分が発熱していることをわかっていながらホットヨガに行ったり、マスクもしないでライブハウスで声を張り上げたり…無神経というか無自覚というか。しかも、そうした行動を保健所にきちんと伝えていなかった輩もいたというから、さらに質が悪い。こういう連中の巻き添えを食って感染してしまったかたがたは、怒りをどこにぶつけたらいいのか、本当にお気の毒だ。
感染していない人の中にもひどい人が少なからずいて、連日、人のイヤなところを見せられる。「マスクがない」「次はティッシュペーパーとトイレットペーパーだ」「紙おむつも」「生理用品も」「食べるなら(海藻の)あおさがいいらしい」…根拠のない不確定な噂に振り回されて、街中のドラッグストアやスーパーマーケットをフラフラうろうろ。
全国の店員さんたちはこのところ本当に大変だと思う。目当ての物が売り切れていると、半ばキレながら、「いつ入荷するの!?」「なんでっ!?」「1個くらい取り置きしてよっ!」と詰め寄ってくる人があとからあとから押し寄せてくるんだから。「コロナよりも怖いのは人間だった」というドラッグストアの店員さんのSNSへの投稿が話題になったけど、毎日、気が重いんだと思う。
正体のわからない新型コロナウイルスは確かに怖い。
いつ、どこで、どれだけの威力で、誰に当たるかわからない、地球規模のロシアンルーレットのようなものかもしれない。でも、ウイルスがどんなに怖いからって、カミにばかりすがるのは間違っていないか?
※女性セブン2020年3月19日号