ライフ

嘉門タツオ 21回通った大阪万博、鉄球で破壊され泣いた過去

当時は小学6年生だった

 1970年の日本万国博覧会(通称:大阪万博)から50年。日本人に多大な影響と最高の思い出を残した大阪万博には、183日間で6421万人以上が訪れた。来場者の一人だったシンガーソングライターの嘉門タツオ(60)が、当時の思い出を振り返った。

 * * *
 当時、僕は小学校6年生で、万博会場のあった吹田市の隣、茨木市に住んでいました。バスで10分、自転車で30分です。開催に向けて茨木も急速に変化しました。駅に快速が停まり、駅舎が木造から鉄筋に変わり、駅前の沼がバスターミナルになり、道が舗装され……。開幕日に自衛隊のブルーインパルスが空に「EXPO’70」の文字を描き、花火や風船が上がるのが見えた時には、日本の新たな幕開け的な高揚感を覚えました。

 最初に行ったのは3月29日。動く外国人を生で見るのが初めてだったので、サインをもらっていたんですよ、ただの外国人から。そのサイン帳が残っていて、最初のページが3月29日なんです。行くのが当たり前という感覚で、友だちと、家族と、学校の遠足でと、計21回行きました。何度も行くうちに友だちが金網の破れている所を見つけ、そこからただで入ったことも2回。月の石で人気のアメリカ館の出口で中に向かって「お母さん!」と叫び、さも母親を探しに行くふりをして入った悪い友だちもいましたよ(笑い)。

 外国人のサイン集めに飽きると、興味がスタンプを経てバッジに移りました。いつでも誰でももらえるパビリオンもあれば、その国のナショナルデーにしか配らないとか、VIPにしか渡さないところもあるとわかってきた。それで僕は、各パビリオンに「バッジをください」と手紙を出しました、自分の住所、名前も書いた返信用の封筒を入れて。50、60は出したんと違いますか。みんな友好的で、送ってくれるパビリオンも多かった。それも含め集めたのが68個。これは学校で第3位でした。

当時集めたピンバッジ(提供/嘉門タツオ)

関連キーワード

関連記事

トピックス

筒香が独占インタビューに応じ、日本復帰1年目を語った(撮影/藤岡雅樹)
「シーズン中は成績低迷で眠れず、食欲も減った」DeNA筒香嘉智が明かす“26年ぶり日本一”の舞台裏 「嫌われ者になることを恐れない強い組織になった」
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
12月9日に亡くなった小倉智昭さん
【仕事こそ人生でも最後は妻と…】小倉智昭さん、40年以上連れ添った夫婦の“心地よい距離感” 約1年前から別居も“夫婦のしあわせな日々”が再スタートしていた
女性セブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
元夫の親友と授かり再婚をした古閑美保(時事通信フォト)
女子ゴルフ・古閑美保が“元夫の親友”と授かり再婚 過去の路上ハグで“略奪愛”疑惑浮上するもきっぱり否定、けじめをつけた上で交際に発展
女性セブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン