芸能

渡辺えり 2歳で「他者の人生を生きたい」という感覚生まれた

渡辺えりが演技に目覚めた瞬間とは

 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、女優の渡辺えりが、他者の人生を生きることについて目覚めたときについて語った言葉をお届けする。

 * * *
 渡辺えりは一九五五年、山形県に生まれる。子供の頃から友達の誕生日会などで劇の演出をし、早くに表現に目覚めていた。

「二歳ぐらいの頃にかくれんぼをやっていまして。私が鬼になって、みんな隠れたままいなくなっちゃったんです。その時に凄く寂しくて──言葉では理解できていなくて感覚としてですけど──人間って独りだということが分かったんですよ。

 そこに心配した祖母がやってきて、普通ならほっとするんでしょうけど、おんぶされて帰る時の背中が温かくて、この人も自分と別の人だと分かって。大泣きした記憶があります。

 人間っていうのは生まれて死んでいくという、刹那的な存在だと感覚的に感じた時に死ぬのが恐ろしいという思いに襲われて。他者の人生を生きることで、一回限りの人生ではないということを体現したいという感覚が生まれたというのが発端です。

 お誕生日会で脚本を書いて演出してみたら、それが好評で、中学に入る頃にはオリジナルの作品を作っていました。子供の頃から物語を毎日読み聞かせをしてもらっていて、その物語が終わった続きを自分で書く癖があったんです。鬼を成敗した後、桃太郎の子分である雉や猿はどうなったのか、とか。物語を作るのが好きだったんですね」

 高校では演劇クラブに所属、卒業後は上京してプロの役者を目指すようになる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

あごひげを生やしワイルドな姿の大野智
《近況スクープ》大野智、「両肩にタトゥー」の衝撃姿 嵐再始動への気運高まるなか、示した“アーティストの魂” 
女性セブン
OZworldの登場に若者が殺到した
《厳戒態勢の渋谷ハロウィン》「マジで両方揉まれました」と被害打ち明ける女性…「有名ラッパー」登場で一触即発の乱闘騒ぎも
NEWSポストセブン
天海のそばにはいつも家族の存在があった
《お兄様の妹に生まれてよかった》天海祐希、2才年上の最愛の兄との別れ 下町らしいチャキチャキした話し方やしぐさは「兄の影響なの」
女性セブン
川村
【北海道・男子大学生死亡】脚には「龍のタトゥーシール」…逮捕された川村葉音容疑者(20)の同級生が明かす「暴力的側面」と「恋愛への執着心」
NEWSポストセブン
満を持してアメリカへ(写真/共同通信社)
アメリカ進出のゆりやんレトリィバァ「渡辺直美超えの存在」へ 流暢な英語でボケ倒し、すでに「アメリカナイズされた笑い」への対応万全
週刊ポスト
ライブペインティングでは模様を切り抜いた型紙にスプレーを拭きかけられた佳子さま(2024年10月26日、佐賀県基山町。撮影/JMPA)
佳子さま、今年2回目の佐賀訪問でも弾けた“笑顔の交流” スプレーでのライブペインティングでは「わぁきれい!うまくできました!」 
女性セブン
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)、(右はインスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】逮捕された交際相手の八木原亜麻容疑者(20)が高校時代に起こしていたトラブル「友達の机を何かで『死ね』って削って…」 被害男性は中学時代の部活先輩
NEWSポストセブン
木曽路が“出禁”処分に(本人のXより)
《胸丸出しショット投稿で出禁処分》「許されることのない不適切な行為」しゃぶしゃぶチェーン店『木曽路』が投稿女性に「来店禁止通告」していた
NEWSポストセブン
東京・渋谷区にある超名門・慶應義塾幼稚舎
《独占スクープ》慶應幼稚舎に激震!現役児童の父が告白「現役教員らが絡んだ金とコネの入学ルート」、“お受験のフィクサー”に2000万円 
女性セブン
佳子さまの耳元で光る藍色のイヤリング
佳子さまが着用した2640円のイヤリングが驚愕の売れ行き「通常の50倍は売れています」 地方公務で地元の名産品を身につける心遣い
週刊ポスト
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)(インスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】 「不思議ちゃん」と「高校デビュー」傷害致死事件を首謀した2人の女子大生容疑者はアルバイト先が同じ 仲良く踊る動画もSNS投稿
NEWSポストセブン
いわゆる“ガチ恋”だったという千明博行容疑者(写真/時事通信フォト)
《18才ガールズバー店員刺殺》被害者父の悲しみ「娘の写真を一枚も持ってない。いま思い出せるのは最期の顔だけ…」 49才容疑者の同級生は「昔からちょっと危うい感じ」
女性セブン