新型コロナウイルスの影響で軒並み中止となっているスポーツ中継だが、とりわけプロ野球関係者が大打撃を受けている。プロ野球は当初3月20日の開幕を4月24日に変更したが、これも白紙に。場合によっては7月開幕もあり得る。
「球場で試合を撮影するカメラマンはほとんどが制作会社やプロダクションから派遣されているため、今は仕事がゼロ。自宅待機が続いています。発注元のプロダクションもほとんどが零細だから、補償は微々たるもの。通常は年収400万~500万円くらいですが、今年は大幅な収入減になるでしょう」(キー局スポーツ番組スタッフ)
プロ野球OBの解説者たちも厳しい状況に置かれている。
「景気のいい時代はテレビ局と年間契約を結んでいたが、今は単発仕事がほとんどで、テレビ中継の解説1本あたり5万~10万円のギャラで生活している。新型コロナの影響でそれもなくなった。もちろん何の補償もないから、無収入が続いていて、先の見通しも立ちません」(ある野球解説者)
野球解説者は現役時の実績、知名度、解説の面白さなどで特A、A、B、Cランクに分かれており、ランクによって地上波、BS、CSのどこで解説するかが決まっているという。
「一番厳しいのがうちらのようなB、Cランク。試合数が減れば、その分解説オファーも減る。この世界、引く手数多なのは江本孟紀さん(72)や中畑清さん(66)、古田敦也さん(54)らほんのひと握り。ほとんどの解説者は野球教室や講演の仕事もキャンセルが相次いで、生活が困窮している。周りには知り合いのツテを辿って別の就職口を探している人もいます」(同前)
テレビという華やかな世界にもコロナは深い影を落としている。
※週刊ポスト2020年4月24日号