国内

10万円給付は「評価」が6割 「巣ごもり協力金」へ不信感も

一律10万円給付の方針を明らかにした安倍首相(時事通信フォト)

一律10万円給付の方針を明らかにした安倍首相(時事通信フォト)

 新型コロナウイルス対策として、安倍首相が明らかにした全国民への「一律10万円給付」。所得制限つきで30万円を給付するとしていた当初案からの突然の方針転換に、国民の賛否も分かれている。

 そこで、NEWSポストセブンでは、前回の布マスク配布アンケート(4月15日配信)に続き、【所得制限なしの国民1人10万円給付 あなたは評価しますか? 評価しませんか?】と題する緊急アンケートを実施した(有効回答数=1327人、男女比6対4)。

 結果は、「評価する」と答えた人が62.1%いたのに対し、「評価しない」とした人も37.9%おり、緊急経済対策といいながら内容が一向にまとまらず二転三転する政府の迷走ぶりに、不信感や不安を抱く声も多く寄せられた。

 まず、「評価する」と答えた人の理由で多かったのが、給付までのスピードが早まるかもしれないという期待感だ。

「5月からの仕事がありません。派遣切りです。早く実行してください!」(49歳男性)
「テレワークができない職種で、ここへきて出社停止に。これから先の生活費など心配している中での給付は本当にありがたい」(57歳女性)
「家族が1日中家の中にいるだけで、食費や光熱費など見えない生活費は増えていきます。家計が苦しくなるのは収入が減った方々だけではありません」(51歳女性)
「今すぐに現金を必要としている人は多く、手続きを簡素化して給付を早めるのは評価できる」(48歳男性)

 長期化する自粛生活や経済活動の停滞で、日に日に国民の家計が逼迫している様子がうかがえる。だが、補正予算案の変更で実際の給付がいつになるのか分からない状況下、「評価しない」とする声の中にも、「3月の時点で決定していれば、緊急事態宣言が出るころには配られて国民が苦しむことはなかった」(38歳男性)など、遅すぎる政府の対応に批判的な言及が多数挙がった。

 これまで所得制限つきの30万円給付案を“史上最大の愚策”と批判し続けてきた経済アナリストの森永卓郎氏もこう憤る。

「収入が激減して住民税が非課税になった世帯が対象といっても、例えば去年の給与明細を残していない人がほとんどで、それを証明する方法がありませんし、役所の確認作業もほぼ不可能。制度設計がまったくできておらず、夏までどころか永久に支払われないんじゃないかというぐらいの“代物”でした。官僚の思い付きに流されず、最初から一律給付にしておけばよかったんです」

 今のところ、10万円の給付開始は5月下旬から6月上旬になる見込みとされているが、「リーマン・ショックを受けて配った定額給付金は給付までに丸3か月かかったことを考えると、5月中は難しいのではないか」(前出・森永氏)と悲観的な予測も出始めている。

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン