一部住民はRFAの電話取材に対して、「朝鮮人民軍で今年1月から2カ月の間に新型コロナウイルスの感染者が劇的に増加し、病院の前に180人以上の死体が山積みになっている様子が目撃された。そのほか、一般市民の間でも数千人規模で感染が拡大しているとの噂が広まっている」と答えたという。
在韓米軍のロバート・エイブラムス司令官は3月中旬、朝鮮人民軍内の感染拡大について、「彼ら(北朝鮮)の軍隊は基本的に30日間ほど封鎖されていて、最近ようやく通常の訓練を再開した」と述べた。そして、「一例として、彼らは24日間にわたり飛行機を飛ばしていなかったが、最近、訓練用の出撃飛行を再開した」とも指摘し、陸軍のほか、空軍にも感染が拡大していたことを明らかにした。
これを裏付けるように、北朝鮮の最高指導者である金正恩・朝鮮労働党委員長は最近開催された党中央政治局拡大会議で、党内に「党中央非常防疫指揮部」が設置されたことを明らかにし、「伝染病が流入しうる全てのルートとそれ以外の隙間も完全封鎖するとともに、検病、検査、検疫活動を強める」ことを指示。これについて、「いかなる例外も許さない」と強調するなど、北朝鮮国内でのウイルス感染が拡大していることをほのめかしているという。