窮状を訴えるとSNSではすぐに見知らぬ人から反応がある(時事通信フォト)

窮状を訴えるとSNSではすぐに見知らぬ人から反応がある(時事通信フォト)

 リツイートとフォローするだけでお金をあげます、という類いの投稿をきっかけとした詐欺行為は、Twitterで何度も問題になってきた。過去の例では、応募者に対して当選した旨を連絡し身分証明書のコピーを送らせて個人情報を悪用したり、紹介者がアフィリエイト収入が得られるサイトへ誘導して登録させたり、利益がない、もしくはマイナスになるような投資へ勧誘するなどの問題行為が行われていた。

 いままでの実例を思い浮かべれば、似たような投稿だが今回に限って実際に配るということはまずありえず、何らかの個人情報を奪われたり、投稿主の利益のために一方的に協力させられたり、金銭を奪われる可能性が高いだろう。酷い場合は、犯罪に加担させられる可能性もある。

◆”日常”SNSに頻出する危険な誘い

 こんな事件も起きている。ある大学生がTwitterで「仕事がない。今月のシフト減らされすぎて死にそう」などと投稿したところ、知らないユーザーから「空き時間で簡単に稼げる副業に興味はありませんか」という連絡がきたという。

「連絡を取ったら、数十万円の投資が必要な明らかに怪しい副業の誘いだった」ため以後、没交渉にしたが、SNSで違法行為への誘いは珍しくないことのようだ。「同じ大学に、割の良いバイトだと思って詳細を聞いたら、”受け子”の誘いだったという友だちがいる」と、自分が受けた誘いよりもより、直接的な犯罪に加わる誘いを受けた友人の話があったと続けた。受け子とは、振り込め詐欺などの特殊詐欺のうち、被害者から直接金品などを受け取る役割のことを指す。当然犯罪である上、逮捕されるリスクが高いことで知られる。

 そんな恐ろしい誘いが珍しくないTwitterをなぜ利用するのかと不思議に思う人がいるかもしれない。しかし、今年20歳になる人たちは2000年生まれだということを思い出してほしい。Twitter日本語版サービス開始が2008年、iPhoneが日本発売されたのが2010年だ。いまやSNSはリアルな日常と地続きなものとして、我々は受け止め、そのときに感じたもの、見たものを、友達に話すようにつぶやく。怪しい投稿については、SNSを日常的に使っている人ほど、普通に近所の道を歩いているだけなのに、なぜ、迷惑な人たちが潜り込んでくるのかと戸惑っているような状態だ。一方で、悪意を持って犯罪や犯罪まがいの行為に人を巻き込もうという人たちにとって、様々な状況にある人を広く探せるSNS、とくにTwitterは実に便利なツールとなってしまっている。

 既に述べてきた通り、副業詐欺や闇バイトの募集も、「コロナで仕事ないor給料少ない、副業に興味があり、空き時間に稼ぎたい方、連絡ください」などといった、通常時なら人集めが難しい求人内容が増えている。しかも、新型コロナウイルスによって仕事がなくなったり、収入が減った人を対象としている。

 現在の我々は、新型コロナウイルス感染の心配だけでなく、収入が減ったりなくったりという経済的な不安に苦しめられている。甘い誘いに乗りたくなる気持ちは分かるが、問題がある誘いに乗ってしまうと、犯罪に巻き込まれたり、かえってお金を失う事になりかねない。

 総務省によると、新型コロナウイルス感染症に伴う経済対策として、1人あたり10万円を給付する「特別定額給付金」(仮称)が支給される予定だ。その他、32の都道府県のうち8割の自治体が、休業要請した施設や店舗に対して協力金などの支援策を打ち出すなど、続々と救済対策が始まっている。どうしても生活が立ちゆかなくなったら、真面目に働いてきた人間の権利なのだから、遠慮せずに生活保護を受ける方法もある。しばらく我慢のときが続くが、くれぐれも詐欺や犯罪の誘いには乗らないように注意してほしい。

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