スポーツ

春の天皇賞は1番人気不調 「キンカメ系」の奮起に期待する

2019年天皇賞・春のゴール前

 春の天皇賞はGI最長距離となる3200m。データと血統をどう読むかが鍵となる。競馬ライターの東田和美氏が分析した。

 * * *
 平成以降、勝率、連対率、3着内率全てにおいて1番人気馬より2番人気馬が上回っている。とくにここ10年で言えば1番人気馬は単勝1倍台の3頭がすべて馬券圏内から外れており、わずか2勝で2着も1回だけ。一方の2番人気馬は5勝もあげている。ただし昨年は前年の菊花賞馬が1番人気に応えるという、古き良き時代の天皇賞(春)のような結果だった。

 世の中「ステイホーム」だからステイゴールドだろうといった“サイン馬券”が競馬ファンの間でささやかれている。直子が2頭、加えて同枠にドリームジャーニー産駒とオルフェーヴル産駒だからまんざらでもない。

 ステイゴールドは、このレースに3回出走、1998年に10番人気で2着、1999年6番人気で5着、2000年4番人気4着と脇役的存在。しかし種牡馬としては父サンデーサイレンスと同じ4勝。2着はないが3着が2回。オルフェーヴルとゴールドシップがともに単勝1.3倍の1番人気で敗れているが、逆に勝った時は2番人気3回に4番人気と、1、2番人気馬の逆転現象を演出している。3着だった2頭も5番人気と8番人気だ。

 一方2006年にこのレースを勝っているディープインパクト産駒は、昨年のフィエールマンが初勝利。これまではキズナが1番人気で2度馬券圏外に敗れるなど、これもある意味逆転現象の一因だった。しかし昨年は勝ち馬だけでなく、6番人気のグローリーヴェイズも2着と相変わらずの底力を見せている。今年は4頭の直子が出走するほか、ディープブリランテ産駒とトーセンホマレボシ産駒も出走。キセキの母父もディープで、まさにステイゴールド系vs「ディープインパクト一族」だ。

 ちなみにハーツクライは2005年、スズカマンボが勝った馬連8万円、3連単190万円という天皇賞(春)史上最高配当のレースに出走していて8番人気5着。産駒は勝ち馬こそないが、のべ23頭出走していて2着5回3着3回と、結果的に連対率も3着内率もステイゴールドやディープインパクトを上回っている。しかし、今年はタイセイトレイルが回避したので出走馬はゼロ。やや残念。

 つまりこのレースもサンデーサイレンス産駒種牡馬の牙城で1着馬は2011年から、2着馬は2013年から、3着馬は外国調教馬レッドカドーが3着に入った2013年を除けば、2009年からという独占状態(2018年ディープスカイは孫)。上記「御三家」だけでなく、ブラックタイドやマンハッタンカフェ、ミスキャストやヤマニンセラフィムの産駒も結果を残している。

 となれば、問題はキングカメハメハ産駒。3歳で引退しているから淀の3200m経験はないが、ダービー馬を送り出しているダービー馬。これまでの種牡馬実績から、距離に限界があるとは思えない。しかし過去14頭が出走しているが、3着以内に入ったことがないのだ。上位人気に推されるような馬の出走が少ないのは確かだが、それにしても二桁着順が10回というのはかなり極端な不振。

 しかし・・・・! 皐月賞でも過去〈0 0 0 10〉のハーツクライ産駒サリオスが2着に来た。キンカメ産駒、今年は阪神大賞典だけでなく、京都3000m万葉Sでも1着馬の母の父、2着馬の父の父。「揺り戻し」があるのではないか。

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト