ということで、キングカメハメハ系の奮起に期待。阪神大賞典を圧勝したユーキャンスマイル。GⅠ勝ちこそないが掲示板を外したのは3歳時の重賞2回のみで今回は人気の中心(鬼門の「1番人気」ではないだろう)。3000m以上では〈2 1 1 1〉と、キャリアも結果も申し分がない。平成以降の勝ち馬のうち12頭、2着馬も9頭、3着馬も14頭の計35頭が阪神3000mからの参戦だ。
前述のキセキはサンデーサイレンス産駒の括りでは「ディープインパクト一族」としたが、もちろんキングカメハメハ系。角居厩舎は過去このレースで最高が8着、それ以外の6頭はすべて二桁着順。名門厩舎最後の年に何かと思い出深い父の産駒での出走、期するものがあるはずで、これも「揺り戻し」に期待。枠連のゾロ目で押さえよう。
もう1頭のルーラーシップ産駒ダンビュライトは2018年の天皇賞(秋)で馬場入り後に放馬、満員の東京競馬場を全力疾走して競争除外。夜の社台グループのパーティーでは戸崎騎手がキセキで3着だった川田騎手にいじられていた。昨年のジャパンCでも馬場入りの際にテンションが上がってしまったことから12月に去勢。2度の坂越えを経験済みの京都、しかも無観客でその効果を発揮してもおかしくないし、GⅠ勝ちの味を知った鞍上も怖い。
●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。