続いて、呼吸法の基本中の基本ともいえる「聴息法」を紹介します。これは、鼻から息を吸ったり吐いたりする時に聴こえる自分の呼吸の音に静かに集中して傾聴する方法で、呼吸の音を聞くことで、より呼吸が安定して心が落ち着き、冷静に物事を考えられるようになります。
『たった1分で心が軽くなるポジティブ呼吸法』より
【1】椅子に座って上半身の力を抜き、腰を伸ばして下腰と両ひざの内側、肛門にほどよく力を入れます。
【2】下腹に力を入れてへこませながらゆっくり深く長く息を吐きながら、自分の呼吸音に集中し傾聴します。息を吐き切る目安は12秒です。
【3】息を吐き切った後、自然に鼻から息を吸い込みます。ゆっくり深く吸いながら、自分の呼吸音に集中し傾聴します。目安は6秒です。
【4】呼吸を繰り返しながら、自分の呼吸音を聴きます。
以上が聴息法の実践方法です。私たちが無意識に行っている呼吸の時にはα波(リラックス時に大脳に現れる脳波)は出ませんが、目を閉じて聴息法を行っていると、5〜15分でα波が現れてきます。その心地よさは格別のものです。
自分の呼吸音は、意識して聴こうとすれば、誰にでも聴くことができます。上手に聴くコツは、ひたすら自分の呼吸に集中することです。「息」は「自(分)」の「心」。つまり、息の音を聴くということはすなわち、「自分の心」に正面から静かに向き合うことでもあります。
意識して呼吸をすることで、自分の気持ちをコントロールすることができる。そしてストレスが解消されれば、心は軽くなります。ポジティブ呼吸法を身につけることができれば、あなたの頼れる最強のパートナーになってくれることをお約束します。
*響怜於奈・著『たった1分で心が軽くなるポジティブ呼吸法』(小学館刊)から一部抜粋・再構成