芸人にとっても厳しい日々
さらに、総集編で問題となるのが、同時間帯の異なるチャンネルに同じタレントが出演する“裏かぶり”だ。
「ひな壇ゲストとして人気があるタレントは、常時いろいろな番組に出ている。そのため、通常の放送回では、制作サイドが裏かぶりしないように調整します。でも総集編となると、いちいち裏番組の出演者をリサーチしきれず、どうしても裏かぶりが発生してしまう。実際、新型コロナウイルス騒動後に放送された総集編で、裏かぶりしている例はいくつか確認しました」(大塚氏)
もはや総集編での裏かぶり回避は不可能ともいえる状態だが、前出・テレビ局関係者はこう話す。
「総集編を作っているスタッフも時間がない中で作業しており、裏かぶりに配慮する余裕がないのは確かかもしれません。とはいえ、今は非常事態なので、芸能事務所の方もわざわざ総集編で裏かぶりしたくらいでクレームを入れてくることもないと思います。業界全体でも、そういった特別な事情であることを理解して、通常時のルールから多少逸脱しても、見て見ぬ振りをしておこうという流れはあります」
いずれにしろ、番組収録ができず、放送すらままならない状況になりつつあるテレビ業界。1日でも早く収録が再開されない限り、事態は好転しないだろう。