芸能

コロナで総集編ばかりのバラエティ 炎上リスクが高まる理由

局としても窮余の策が続く

 新型コロナウイルス感染防止のため、新たな番組収録が難しくなっているテレビ業界。特に影響が大きいのがバラエティ番組だ。すでに多くの番組が未放送回の“ストック切れ”となり、総集編で対応するケースが増加しているという。

「単純に過去の名場面をつないだだけの総集編もあれば、リモートワーク出演しているレギュラー陣が、過去のロケの名場面を見てコメントをするというパターンもあります。逆に新録のVTRがあれば、流す時にわざわざ“新録”というテロップを入れて、“アピール”する番組もあります」(テレビ局関係者)

 いずれにせよ、新たなロケが行えず、素材となるVTRは過去のものばかり。スタッフたちも編集作業に追われている状況だ。

 一方、過去のVTRを使うことで、炎上リスクが高まる可能性があるとの指摘もある。バラエティ番組事情に詳しいフリーライターの大塚ナギサ氏は、こう話す。

「ここ数年で、バラエティ番組における考え方が大きく変容しています。多様性を重視する流れになっていて、差別的な内容は避けるのが当たり前。数年前なら“アリ”だったものが、今は“ナシ”ということが充分にありうるんです。当然ながら歴史が長ければ長いほど、いくら人気番組の名場面であっても、今となっては不適切な内容が多く含まれている。総集編ばかりに頼った結果、意図せずに今の時代と合わない内容がオンエアーされ、その結果炎上してしまう…という可能性はあると思います」

 名場面の総集編だけでなく、未公開シーンのお蔵出しも危険だ。

「未公開ということは、何らかの理由があって放送されなかったシーンです。それこそ少々問題視されるような表現が含まれている可能性もあるはず。ストックがないという焦った状況になると、無意識のうちに“アリ・ナシ”のジャッジも甘くなってきて、本来放送すべきではない未公開シーンが電波に乗ってしまう……なんてこともありうる。そういう意味で、未公開シーンを放送する際こそ、熟慮する必要があるでしょう」(大塚氏)

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