アメリカの「アレルギー感染症研究所」などの報告によると、気温を22℃、湿度を50%にすればウイルスの活動が弱まるとしている。
『新型コロナウイルス 脅威を制する正しい知識』(東京化学同人)の著者で、東京農工大学教授の水谷哲也さんが言う。
「一般的には湿度が高いということは空気中の水分量が多いということなので、ウイルスに水分が付着して重くなり、落下するという見解です」
そのことを踏まえると、アメリカの研究の通り、湿度を80%まで高めることは効果的なようだ。ただ、「日光浴が予防に効果的だというのには疑問が残ります」と近藤さんが続ける。
「そもそも日光には波長が違う3種類の紫外線が含まれます。日焼けにつながる『UV-A』と、UV-Aよりエネルギーが強くがんを引き起こすこともある『UV-B』、微生物を殺菌する強力な放射線の『UV-C』です。UV-Cは従来型コロナを弱らせるとされますが、そもそもUV-Cは大気に遮られて地表まで届かないので、日光浴が効果的とは言い切れません」
内科医の大西睦子さんも、今回の研究発表には懐疑的な立場だ。
「研究に使用された光の波長や強度などが明らかになっていないので、結果が精査されるまで注意するべき。海外の専門家たちも否定的な意見が多く、“日光浴をしても新型コロナウイルスを予防できない”“奇跡的な治療法だと考えてほしくない”と警告しています」
日光からUV-Cを受けられないが、人工的にUV-Cを作り出し、対象物に照射できるグッズもある。
その中の1つ、除菌器「PEDIC」(4818円、コリアマーケティング株式会社)は120gのサイズで、10分間照射するとウイルスを99.99%除菌できるという。ただし、直接皮膚などに光を当てると悪影響を及ぼす場合もあるので注意が必要だ。
これから日本はジメジメと湿度の高い梅雨を迎え、夏本番が訪れる。“天の恵み”で少しでもウイルスが弱ってくれたらいいのだが。
※女性セブン2020年5月21・28日号