吉村府知事を陰で支える橋下氏(時事通信フォト)
西村康稔・経済再生相は吉村氏に政府の出口戦略を批判され、「休業要請も解除も国ではなく知事の裁量」と責任転嫁。加藤勝信・厚労相は同省通達の「37.5度以上の熱が4日以上」というPCR検査の目安を「国民の誤解」とすり替えた。
吉村氏と同世代の小泉進次郎・環境相に至っては、国民への発信は、「ゴミ袋に収集作業員への感謝や激励のメッセージや絵を書こう」と記者会見で呼びかけた程度。そんな体たらくだからこそ、吉村氏との違いが際立ったのだろう。
「自分の首をかけて緊急事態に立ち向かう覚悟を持った政治家と、そうでない政治家の差が国民に見えた。だからこそ、多くの人には吉村氏こそ“危機下のリーダー”に相応しい政治家と映っているのでしょう」(鈴木氏)
各種世論調査でも、新型コロナ対策で「評価する政治家」は2位の小池都知事に大きく差をつけ、吉村氏が1位となっている。国民は既視感がある“小池劇場”に飽き、新しい政治家を求めていることが明確となったのだ。
※週刊ポスト2020年6月5日号