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2020.05.22 16:00  週刊ポスト

藤原正彦氏 コロナで気づいた「TVはつまらない、本が必要」

 高齢者は、これまで家族のために一生懸命働いてきて、じっくり読書をする時間がなかった人も多いでしょう。これからは読書をすることで、自分という人間が世界や歴史のなかで、どういう「位置」にいるかを死ぬ前に知っておくべきだと思います。そうすれば、残された人生をどう生きるかという指針も考えることができる。

 動物は生殖能力がなくなると大抵死んでしまいますが、人間だけはそれから何十年も生きる。それは生きる価値があるからです。それまでの人生で身につけてきた経験や、読書による見識を伝えることが子孫にとって有益だからこそ、生かされている。古今東西の様々な本を読んで見識や教養を深め、威勢はいいが未熟な若者を指導していくことこそが高齢者の重要な役目です。

「読書文化の復興」にこそコロナ後の日本の未来がかかっているのです。

 ただ、外出したり他人と会話する時間が減ってしまうと、ボケてしまうんじゃないかと心配。私はアメリカで研究生活を送っていた頃から“オリエンタルプレイボーイ”としてならしていたのに、この2月以来、濃厚接触を避けるため恋人や愛人には一切会っていません。「下火になったら……」と、女房とのウォーキングで身体を鍛えています。

 読書を通して得られる内側からの刺激と、人と語ることで得られる外側からの刺激。この2つによって、緊急事態宣言解除後の老後の生活がもっと生き生きとしてくると思います。

※週刊ポスト2020年6月5日号

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