完璧なスーパースポーツカーを目指した4代目Z(32型)
来年までに発売されるという次のフェアレディZがどういうデザインなのか、細部はまだ不明だが、前述の予告映像で出てくるシルエットは美しく、かなりの期待感を抱かせるものがある。動的な部分がどうなるかについては、現行モデルの完成度から推測して悪いことにはなるまい。
もちろんフェアレディZひとつで日産のイメージが劇的に好転するということはないだろう。スポーツカーを1台、2台作っても、それ以外のモデルとの乖離が大きければ、たまたま遊びで作ったと思われるだけである。
では、日用品のモデルをスポーツカーに寄せて作ればいいのかといえば、それも全然違う。日産だけでなく、スープラや「86」を作っているトヨタ、「NSX」を作るホンダ、「ロードスター」を作るマツダも同じような悩みを抱えている。
スポーツカーを孤立させず、パーソナルモビリティが持つ移動の喜びを追求するブランドを象徴する存在に昇華させることができるか。その困難なチャレンジがこれから始まるわけだが、少なくとも日産が目先のことだけにとらわれず、長期的にモノを見ようという意思を捨て去っていないということが分かっただけでも、日産ファンにとっては朗報と言えるだろう。
新型フェアレディZはどこまで進化するか(写真は現行モデル/撮影:井元康一郎)