◆ネットにあふれる「通勤不安」の声
ツイッターなどネット上には満員電車での通勤に対する不安や恐怖を訴える声が多く見られる。
〈毎日満員電車で周りの誰が咳するかなんてわからないし、場所なんて選べない。感染は運しかないと思っている〉
〈感染者がどこに行ったかと聞かれた場合、飲食店、会社、自宅とは言っても目的地じゃない電車でっていう人が少ないから感染場所とされてこなかったんだけど、実際にはあったんだろうね〉
〈感染経路の不明者が増えているのは、電車内での感染が原因かもしれない。スパコン富岳による電車内でのシミュレーションでも、窓を開けても車内上層の空気だけが換気されるが、仮想の空気循環はあまり良くなかったので〉
7月13日になってJR西日本高槻駅で2日連続で駅員の感染が判明した。この報道に対しても様々な声が挙がっている。
〈誰もが恐れ、かつ公言憚られた公共交通クラスターを直視するべき時かもしれません。Go To前倒しが何をもたらすか? 為政者はあまりにも大きな賭けに出てしまいました〉
〈新快速から普通、普通から新快速への乗換駅なのでリスク高いですね〉
〈駅利用者に感染広がらないことを祈っています〉
ノーベル平和賞受賞者の本庶佑京大特別教授もHPに「満員電車は一番危険」と警告している。
国や東京都は通勤電車における感染実態を早急に調べ、抜本的な対策を講じるべきだ。先に紹介した国土交通政策研究所の調査結果をベースにした試算を打ち出し、それに基づいて企業などのテレワーク強化推進の政策を早急に打ち出すのも一つの手ではないだろうか。
この問題は鉄道事業者や、鉄道利用者だけでは解決できない。根本的には東京一極集中からの脱却が必要だが、まずは国や東京都が、テレワークや出勤調整などを推進する政策で満員電車をなくす方向に動くべきだ。満員電車がなくならない限り、通勤・通学者の電車内、駅での感染リスクは解消しない。