そして現在は、冒頭で紹介した双葉中の夜間学級のように、外国にルーツを持つ「ニューカマー」が生徒の大半を占めるようになった。いまは全国34校の公立中学校の夜間学級に学ぶ約1700人のうち、およそ7割は中国、韓国、フィリピン出身で、ベトナムやネパール出身も増えている。
両親の都合や仕事を求めてなど理由はそれぞれだが、最近は新型コロナウイルスの影響で入学する人もいる。
そのひとりがインド人の母と日本人の父を持ち、親元を離れて10才からインドの学校に進学した村上アーミルさん(仮名・17才)。春休みに日本に帰国中に新型コロナの感染拡大でインドがロックダウンに踏み切り、戻ることができなくなったため、6月から双葉中に通い始めた。
「インドにはいつ帰れるかわからないし、来年もどうなるかわからない。インドの学校も楽しいけれど、いずれは日本で働きたかったので、夜間中学で勉強を教えてもらっています。日本の高校に進学したい」(アーミルさん)
敗戦後の貧困から新型コロナまで、夜間中学が受け入れてきたのは常に、変様する日本社会の中で弱い立場にならざるを得ない人たちだった。
※女性セブン2020年8月13日号