山健組分裂の衝撃は神戸山口組にも伝播した。後押しされたかのごとく、5月に岡山市で若頭を銃撃された池田組が離脱した。山健組と同じく神戸山口組の屋台骨だが、分裂抗争の第三勢力・絆會(元任侠山口組)と合流した。山健組と絆會は、2017年に織田絆誠組長を狙ってボディガードを射殺した遺恨があり、絡み合った情念を解きほぐすのは難しい。
対岸の火事を見物している六代目山口組側は余裕を見せる。
「彼らは我々が処分した者たち。一度裏切った人間は、何度も同じ轍を踏む。裏切りに抵抗もないのだろう」(直参組織幹部)
抗争は組織を繁栄させた側が勝利する。すべては、今後組織力を増大させられるかにかかっている。5年にわたった分裂抗争は最終局面を迎えた。
●鈴木智彦(フリーライター)
※週刊ポスト2020年8月14・21日号