仙台育英の須江監督

 東北大会、神宮大会で監督の信頼を得て、既に甲子園でも大活躍した1学年下の笹倉世凪、伊藤樹からエース背番号を奪い、ドラフト候補に名乗りを上げた。今年の正月の段階では、「プロもしくは社会人」の希望を打ち明けてくれたが、今は中京の高橋と同じ大学に進学を希望している。

「プロも考えていましたが、選抜が中止になった段階で、進学に決めました。悩みましたが、六大学の学校から声をかけてもらったことが大きい。大学4年間で成長し、4年後にプロ入りの目標を果たしたいです」

 一方で、悩ましいのは主砲の遊撃手・入江大樹だ。大阪府の出身で、中学時代は筒香嘉智(レイズ)らを輩出した堺ビッグボーイズに在籍した入江だが、監督の須江航は「指名はされるかもしれないが、されないかもしれない。夏にアピールしたかったはずですが……」とやり場のない感情を吐露した。逡巡の末に、入江はプロ志望届を提出することを決めた。

 激戦区・大阪の雌雄も、志望届を提出するのは野手が中心だ。昨夏の甲子園胴上げ投手である履正社の岩崎峻典は東京の大学に進学。1年夏から主軸を打つ三塁手・小深田大地、元阪神の賢太郎氏を父に持つ捕手の関本勇輔、そして独自大会まで公式戦登板が一度もなかった190cmの長身右腕・内星龍が提出予定だ。

「進路に関しては、だいたい2年生の11~12月に面談をして、方向性を決めます。コロナの感染が拡がる前に大学の練習会に参加できた子は良かったんですけど、大学の事情で参加できなかった子に関しては、大学のかたに足を運んでもらって、見てもらう形になっています」(監督の岡田龍生)

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