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落合陽一本人が語る個展の見どころ「噛みしめ方は何通りも」

「身体性を使ってよく見てほしい」と語る

 これまでにあった当たり前が当たり前ではなくなった2020年。近著『働き方5.0』が話題のメディアアーティスト落合陽一氏が「今の時代だから見えるものというのを改めて見直す」と、これまでの制作を俯瞰する個展『未知への追憶 —イメージと物質 || 計算機と自然 || 質量への憧憬—』を開催中だ(東京・渋谷モディ。〜8月31日)。

 2019年に天王洲のamana squareで開催された『質量への憧憬』展以来の大規模な個展となる同展では、約660平米を超える広大なスペースに、平面や立体など40点以上の作品が展示されている。

 テクノロジーを操る“現代の魔法使い”として知られ、ニュース番組でも見せるヨウジヤマモト一択のファッションといった“尖った”イメージが強い落合氏だが、そのクリエイティブはとっつきやすく、どこか懐かしい。

「燐光する霊性」(2019)

 それは、自らの思想として掲げる「デジタルネイチャー(計算機自然)」が構築しようとしているものが、いわゆる「侘び寂び」であるからだ。落合氏は「きらびやかな街のまるで実態のないデータのような振る舞い」の路地裏にある「寂びた風景」に惹かれると言い、それを「質量への憧憬」という言葉で表現した。

「映像と物質」「計算機と自然」「質量への憧憬」「民藝・霊性」といった、2017年からの4年間の表現コンセプトを軸に構成された同展では、そんな彼の頭の中に触れることができる。

 同展の見どころについて、落合氏本人はこう語る。

「広くスペースを使っている展覧会なので、身体性を使ってよく見ていただきたい。ベンチに座りながらじっくり見たり、窓の景色を眺めたりなど、映像で見るより現物を見たほうが絶対面白い展示になっているので、それを見に来ていただければ」

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