国際情報

ハリス副大統領候補はバイデン氏の「女神」か「急所」か

盟友になれるか(バイデン氏とハリス氏 AFP=時事)

 民主党大統領選候補のジョー・バイデン氏のラニングメイトとして、カマラ・ ハリス上院議員が選ばれた。アメリカのリベラルメディアでは、バイデン氏はベストな人物を選んだと評価されている。しかし、約1か月前に「ハリス副大統領候補」を予想していたニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏は、彼女のキャリアと実力を評価したうえで、バイデン陣営の「賭け」でもあると指摘する。

 * * *
 バイデン氏は早くから、副大統領候補は女性を指名すると宣言していた。候補として数人の候補が挙がっていたが、その中で、白人ではなく、勉学に秀で、法曹界を歩んでカルフォルニア州司法長官、上院議員にまで上り詰めたスーパーウーマンであるハリス氏は、早くから有力候補と目されてきた。移民の家族に生まれ、懸命の努力でキャリアを築いてきた女性である。アメリカンヒロインとして認められて然るべきだと筆者も思う。候補に挙がった数人のなかでも、最もふさわしいと感じていた。

 ただし、今後の戦いは簡単ではない。バイデン氏のランニングメイトとして、共和党のトランプ大統領とペンス副大統領と正面から戦うわけである。これまでのように法律家としての口調と論理は通用せず、時には言葉を極めて個人攻撃もしてくる老獪なベテラン2人とわたりあっていかなければならない。最初の攻撃材料は、おそらくバイデン氏との政策的な不一致になると思われる。

 すでに共和党のベテラン議員は、「予備選では極端なプログレシブ派(進歩主義・革新)の肩を持ち、バイデン氏を古い政治家だと攻撃していた。テレビ討論では、人種差別者であるとまで言っていた。2人がパートナーになるのはおかしい」と指摘している。

 これ以外にも、ハリス氏はバイデン氏が女性蔑視と受け取られる発言をしていたことも厳しく批判した。共和党の重鎮は、「この指名はバイデン氏自身の決定ではない。民主党の決定だ」と言い切る。たしかにそれは当たっていると思う。予備選で、民主党はバイデン氏のような中道路線と、サンダース候補など極端な左派とに分裂した。今回の指名は、分断された党を一つにまとめる意図があったことは明白だ。ただし、バイデン氏のコアな支持者たちは、左派を取り込むことに積極的ではないのである。そのかりそめの同盟をトランプ氏が見逃すはずはない。

関連記事

トピックス

日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
実業家の宮崎麗香
《セレブな5児の母・宮崎麗果が1.5億円脱税》「結婚記念日にフェラーリ納車」のインスタ投稿がこっそり削除…「ありのままを発信する責任がある」語っていた“SNSとの向き合い方”
NEWSポストセブン
出席予定だったイベントを次々とキャンセルしている米倉涼子(時事通信フォト)
《米倉涼子が“ガサ入れ”後の沈黙を破る》更新したファンクラブのインスタに“復帰”見込まれる「メッセージ」と「画像」
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン
峰竜太(73)(時事通信フォト)
《3か月で長寿番組レギュラー2本が終了》「寂しい」峰竜太、5億円豪邸支えた“恐妻の局回り”「オンエア確認、スタッフの胃袋つかむ差し入れ…」と関係者明かす
NEWSポストセブン
2025年11月には初めての外国公式訪問でラオスに足を運ばれた(JMPA)
《2026年大予測》国内外から高まる「愛子天皇待望論」、女系天皇反対派の急先鋒だった高市首相も実現に向けて「含み」
女性セブン
夫によるサイバーストーキング行為に支配されていた生活を送っていたミカ・ミラーさん(遺族による追悼サイトより)
〈30歳の妻の何も着ていない写真をバラ撒き…〉46歳牧師が「妻へのストーキング行為」で立件 逃げ場のない監視生活の絶望、夫は起訴され裁判へ【米サウスカロライナ】
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト