その後、2018年にはアメリカで最も権威のある音楽ランキング「ビルボード200」で、BTSのアルバムが2作連続1位という快挙を遂げた。
今年6月には、トランプ米大統領の選挙集会をK-POPファンたちが協力して妨害したという報道もあった。真偽は不明だが、「K-POP」がそれほど世界に広まり、影響力を持つ存在になっているとも受け取れる。さらに、日本の10~20代の間では、J-POPよりK-POPの方が好きというのが一般的だという。
「若い子は新しいものが好きなので、次々に新しいグループが出てくるK-POPへの興味は尽きることがありません。しかも、最近の若者の憧れはTWICEやBLACKPINK、IZ*ONEのような『カッコよくて、おしゃれ』な女性。キャピキャピした日本のアイドルは憧れの対象になりにくい」(女性ファッション誌の編集者)
『Nizi Project』で初めてK-POPに触れた人は、デビュー前の練習生たちにもかかわらず、あまりに本格的なダンスや歌唱力に驚いたはずだ。ヨン様ブームの時代から韓流を追いかけ続ける「韓国ウオッチャー」の児玉愛子さんは言う。
「韓国での“成功”は、世界に名前が知られることです。1位でなければ生き残れない。だから歌もダンスも本気度が違います」
デビューどころか、大手の事務所では練習生になることすら狭き門だという。ただし、練習生になれれば、環境は恵まれている。慎さんが話す。
「K-POPの練習生には宿舎があり、食事もちゃんと食べられるのはもちろん、一流のボーカルやダンスレッスンに加え、語学の修得も基本。英語、日本語、中国語は必須です。2019年にデビューし、英語と日本語が完璧だと注目されたTOMORROW X TOGETHERは練習生時代にそれらを学んでいました。
超学歴社会である韓国では、1980年代あたりまでは芸能人を『タンタラ』という、見下した表現で呼ぶ風潮があった。しかしいまの芸能人たちは進んで寄付活動や啓蒙活動を行い、社会的なロールモデルになっている。彼らを『タンタラ』と呼ぶ人はもういません」
※女性セブン2020年8月20・27日号