国内

東大院教授「早生まれの不利は大人まで続く」研究結果発表

遅れを取り戻そうとする努力が裏目に出ることも(イメージ)

 昔から「早生まれ(1月〜3月生まれ)」は学校生活で損をするといわれてきた。特に幼少期では生まれた月の違いによる成長差は大きく、学年内で“最年長”の4月生まれの子供は相対的に体格がよく、勉強やスポーツに秀で、リーダー的な存在になりやすい一方で、“最年少”の3月生まれは何事にも遅れがちになるといわれる。

 こうした差があるのはせいぜい小学校までの間だけで、年齢を重ねると差はなくなると誰しも考えている。しかし、労働経済学を専門とする東京大学大学院経済学研究科の山口慎太郎教授は、7月11日に公表した論文(Month-of-Birth Effects on Skills and Skill Formation)で、生まれ月による差は想像以上に長く続くとする研究結果を発表した。

「早生まれの不利は、高校入試にもあらわれています。3月生まれと4月生まれで入学した高校の偏差値を比べると4.5も違います。大学の進学率も早生まれのほうが低く、これは日本に限らず、アメリカやカナダでも同じ傾向があります。さらに早生まれの不利は大人になっても消えず、早生まれの人は30〜34歳の所得が4%低くなるという研究報告が出ています」

 統計的に、3月生まれと4月生まれで高校の偏差値が4.5も違うというのは、かなり衝撃的な結果だ。しかも、30代前半になっても、その影響は所得格差という形であらわれるというのである。

 なぜこんなことが起きるのか。山口教授によると、理解の鍵になるのは「認知能力」と「非認知能力」という概念だという。

関連記事

トピックス

「学習院のご学友」も候補者リストに入っているという(2021年12月、東京・千代田区。写真/JMPA)
愛子さまのお相手候補に「ご学友」も 小室圭さん夫妻の影響で“学習院回帰”の流れ
週刊ポスト
志村けんさんが帰ってくる
《志村けんさんコント制作秘話》「オレは絶対に子ども向けには作らない」愛弟子が明かす師匠が珍しく激昂した瞬間
NEWSポストセブン
“英断”をアピールするはずだったが…(時事通信フォト)
岸田首相の「ウクライナ訪問」に海外メディアは冷ややか 「外交評価はゼロに近い」と外務省OB
週刊ポスト
東海大菅生・ 日當
ストップ・ザ・大阪桐蔭に名乗り 7種のフォークボールを投げる巨漢エース・日當の挑戦
NEWSポストセブン
霧馬山
優勝した霧馬山だけじゃない!? 「大関候補が4人」の大バーゲン状態に突入した
NEWSポストセブン
メルカリで事業縮小の流れ(時事通信フォト)
メルカリがリストラへ 280人規模の仙台オフィス閉鎖、「キャリア支援プログラム」活用を社員に依頼
NEWSポストセブン
愛子さまの将来のお相手は?(時事通信フォト)
皇室記者が準備する「愛子さまのお相手」リスト 最有力候補はやはり「賀陽家の25歳次男」
週刊ポスト
「コメンテーター・岩田明子」の評価は?(写真左から2番目/『サンデージャポン』のTiwtterより)
「安倍元首相に最も食い込んだ記者」元NHK・岩田明子氏 “三浦瑠麗氏の後釜”に浮上
週刊ポスト
水卜麻美アナのすっぴんに中村倫也は「かわいい」 テレビ局のメイクルームから始まる恋が「ミラクル」と言える理由
水卜麻美アナのすっぴんに中村倫也は「かわいい」 テレビ局のメイクルームから始まる恋が「ミラクル」と言える理由
NEWSポストセブン
清原和博氏(右)と次男の勝児内野手
清原和博氏、次男・勝児の甲子園デビューで驚いた「PL野球と慶応野球の違い」
週刊ポスト
旧NHK党党首の立花孝志氏(左)とガーシーこと東谷義和氏(筆者撮影)
【ドバイに集うクセモノ日本人】ガーシーが最長10年居住できる「ゴールデンビザ」を取得した経緯
週刊ポスト
岩田絵里奈アナと結婚発表の水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナの電撃結婚の背景にあった「岩田絵里奈アナの“左遷人事”」
NEWSポストセブン