また、ラリー遠田氏によればテレビ番組の収録で培ってきたスキルもゲーム実況に活かすことができるようだ。
「番組のジャンルで言うと、ゲーム実況はロケ番組に近いです。ロケで街を歩きながら、おいしい食べ物を紹介したり、街の人と触れ合ったりしながら笑いを生み出す技術は、ゲーム実況にもそのまま応用できます」(ラリー遠田氏)
さらにスキルを活かすことができるだけでなく、コントや漫才のようにネタを考案するよりも手軽に1本の動画が制作できてしまうことも、お笑い芸人にとってはメリットになっているようだ。
「芸人側としても、自分で知恵を絞ってネタを作ったり企画を考えたりするよりも、ゲームをやっている様子をそのまま見せるほうが、手間がかからないというメリットもあります。芸人のゲーム実況への参入は今後ますます盛んになるでしょう」(同前)
コロナ禍で従来通りのテレビ番組の収録が難しくなる一方、外出自粛の影響もあり配信コンテンツの需要は高まっている。お笑い芸人という職業の持ち味を活かしたゲーム実況動画は、自宅で視聴することができるコンテンツとして、今後より一層注目度が増していきそうだ。
●取材・文/細田成嗣(HEW)