区境変更を円満解決して開かれる「記念花火大会」
板橋区なのに「戸田」の理由は?
もともと地区一帯の南側を流れていた荒川が、改修により北側を流れることになったため、1950年に埼玉県から東京都板橋区に編入されたのが舟渡地区だ。
同地区にある戸田葬祭場は、1926年に創立された民営の斎場。板橋区にありながら、埼玉県の都市名である戸田市の名前が用いられているのは、ここがかつて埼玉県だった痕跡なのだ。
境界変更が後々まで禍根を残すのはよくある話だが、板橋区と戸田市の場合は円満に解決しており、現在の「戸田橋花火大会」「いたばし花火大会」は、境界確定を記念して開催されるようになったもので、大田区vs江東区など領土問題で揉める場合が多い中、珍しいケースといえる。
地図製作■タナカデザイン
※週刊ポスト2020年9月4日号