では、小遊三はどんな言葉を発しているのか。下ネタ頻出ワードベスト3を挙げてみよう。
【1位】「スッポンポン」6回
【2位】「袋とじ」4回
【3位タイ】「女湯」「壇蜜」「トイレ」「裸(素っ裸含む)」「ノーパン(ノーパンダ含む)」3回
「壇蜜と言ったからといって、下ネタとは限らないのでは?」という疑問も浮かぶだろう。たとえば、3月1日の「座布団を 十枚とったら 欲しいもの」を頭に五七五七七の短歌を考えてください」という問題で、小遊三は「座布団を 十枚とったら 欲しいもの 壇蜜連れて お忍びデート」と答えている。この部分だけ見ると、「下ネタ」とは判断できない。しかし、回答後に司会の春風亭昇太に「お忍びデート、壇蜜さんとしたいですか?」と聞かれると、小遊三は「したいね。それも暗~いところへ」と笑みを浮かべた。よって、この回答は下ネタと結論を下した。
現実的に、“誰が言ったかで下ネタか否か決まるケース”もある。5月10日の2問目で小遊三は「私はAIの高村光太郎である。(昇太:一言お願いします)そこのお姉さん、何かこうたろ(光太郎)か?」と答えた。
もしピンクの着物を羽織る三遊亭好楽がこの回答後にドヤ顔をしたら、周囲は「光太郎」と「こうたろ(=買ってやろう)」を掛けたと判断し、単なるダジャレなのにどうしてドヤ顔をするのだろう……という思考が頭を巡るかもしれない。
しかし、小遊三の回答に対し、司会の昇太は「なんかね、問い掛け方がいやらしいんですよ。山田さん、1枚持ってって!」と座布団を取った。他人が“いやらしい”と感じているため、これは下ネタと判断する。
このように、普通ならそう聞こえない回答も、小遊三のキャラクターから周囲が下ネタと受け取る傾向もある。
今年の大喜利26回の内、メンバーの回答総数は784に上っている。下ネタを数えると、小遊三の51回に対し、他の5人は計25回しかない。そのうち、小遊三いじりが10回ある。つまり、2020年『笑点』の下ネタ全76回中61回は小遊三絡みで、下ネタ占拠率は80.3%に上る。
しかも、他のメンバーの下ネタは「痔が治った人(司会:なんて出た?)ジ・エンド」(2月16日・好楽)などほぼ排泄関連に留まっており、いわゆる“エロネタ”は水色の着物の独占状態になっている。