「20歳前後の選手がプロで初めて1シーズンを戦うと、身体が出来上がっていないため、後半戦にバテが来る。戸郷は身長186cm、体重75kgで肉体的にも発展途上。同じ186cmでエースの菅野智之は92kgある。当時の堀内は176cm、68kgだったという話もあるし、桑田は公称で175cm、75kg。戸郷と同じくひょろっとした体型でした」
高卒1年目に16勝で最多勝を挙げた松坂大輔(西武)は180cm、78kgで、身長と体重のバランスが良く、8月にも2勝を挙げ、9月にはシーズン中にもかかわらずシドニー五輪アジア最終予選で韓国に渡り、台湾相手に完投している。高卒1年目とは思えない体付きも、シーズンを通して安定的な力を発揮できた大きな要因だろう。
「今季のセ・リーグの中で、戸郷と同じ180cm台、体重70kg台の先発投手はDeNAの大貫晋一(181cm、73kg)、広島の森下暢仁(180cm、76kg)、遠藤淳志(184cm、78kg)くらい。7月中旬に2軍落ちした森下は最近も好投していますが、大貫や遠藤には疲れが見え始めている。
戸郷は彼らと比べても、身長に体重が追い付いていない印象。今季の巨人は首位を独走している。開幕11連勝の菅野以外で安定感のある先発がおらず、日本シリーズで戸郷の力は欠かせない。2回くらいローテーションを飛ばして、休養させるという選択肢もあるかもしれません」
8年ぶりの日本一を目指す巨人にとって、シーズン終盤の戸郷の起用法が1つのキーポイントになりそうだ。