大地組スクールでは、その日にやることは自分たちで考える。考え、行動し、そして結果を受け入れるのが大地組スクールでの学びだからだ。たとえば先日は、昼食を自分たちでつくった。
「1人300円の予算で、何をつくるかとなって話し合いをし、ラーメンに決まりました。1人が『キャベツと豚肉を炒めたのを乗せると旨い』と提案し、それもやることになったんです。買い出しから調理まで、話し合いながら自分たちでやりました。私もびっくりするくらい美味しくできました。もちろん、子どもたちも満足していました」と、浅井さん。
普通の学校でやるような勉強もする。ただし強制的にやらせるのではなく、子どもたちの自発性にまかされている。
「放っておいても子どもたちは学びたいと思うものです。思ったら、学習の方法はいくらでもあるし、自発的にやったほうが身につきます」(浅井さん)
ただし、大地組スクールは学校として認められているわけではない。子どもたちは、通学しないが地元の公立小学校に在籍はしており、そこを卒業することになる。認可されていないインターナショナルに通う日本人の子どもたちが、籍だけおいている日本の小学校を“卒業”するのと同じだ。
「スタートしたばかりで大地組スクールを選択しようかどうか迷っている子どもと親はいます。それでも、確実に変わってきていることも事実です。9月にスタートして、来年の入学を前提に、すでに2組の家族が見学にきてくれました」
既存の学校が失っている価値観を必要としている子どもも親も確実に存在している。それに応える学校も生まれてきている。
◆取材・文/前屋毅(フリージャーナリスト)