芸能

ヒロシが語る焚火の魅力「子育てや人づきあいに似ている」

すっかり売れっ子YouTuberになったヒロシ

 YouTube「ヒロシちゃんねる」には、ピン芸人のヒロシ(48才)がひとりでキャンプをする様子を撮った動画が投稿されている。自分で撮影しているから、本人はほとんど画面に現れない。テントを張ったり焚火をしたりといった“作業する側の目線”がそのまま映し出される。必ずしもキャンプのノウハウが紹介されているわけではないが、見ている人に「自分にもできそう」と思わせる親しみやすさがある。

「大自然という不便な環境の中、最小限の道具でどう過ごすかを考えるのが楽しいんですよ。たとえ時間がかかっても、いまあるもので創意工夫をして、より快適な道具を作ったりしてね。失敗も多いけど、うまくできたときは本当にうれしい。ひとりだから誰にも急かされないし、自分のペースでできるのもいい」(ヒロシ・以下同)

 少年のような照れた微笑みを浮かべ、うつむきながらも、楽しそうに話してくれる。

 作るといっても大げさなものではないという。キャンプ場に落ちている木を拾って、太さや長さをそろえて地面に並べてテーブルにしたり、Y字に分かれた枝を2本立てて、その間に鍋やケトルを吊るして枝をわたし、ボトルハンガーにしたり……。決して器用に作り上げるわけではないが、思いついたことをやってみる、その姿勢が共感を呼んでいる。

 そんなヒロシが、初めてキャンプに行ったのは、小学校低学年のとき。

「家族で近くの河原に出かけ、外でご飯を作って食べるだけでしたが、そのとき、焚火の魅力に目覚めました。それからは友達を誘って子供だけでキャンプに行きましたね。やることといえば、秘密基地を作ったり、じゃがいもを焼いてマヨネーズをつけて食べたり……。複雑なことはしていないんですが、サバイバルとか冒険とか、そういった要素を含む遊びが楽しかった」

 ソロキャンプのいちばんの目的は、いまでも“焚火”だ。見ていると、癒されるのだという。

「そもそも、火を熾す過程が楽しい。いまは便利な着火剤もありますが、ぼくの場合、松ぼっくりやシラカバの樹皮など、その場に落ちているものを焚きつけにして、火打ち石やファイヤースターターという発火器具で火をつけます。うまく火がついたときの達成感はたまりません。

 焚火って人間の一生に寄り添うのと同じだと思うんです。最初は火が消えないようにこまめに小枝を補給したりと目が離せないので、赤ちゃんの世話のよう。炎が大きくなって、いわば“青年期”を迎え、安定した“壮年期”を経て最後は消えて灰になる。手を掛けすぎても放置しすぎてもうまくいかない。これって子育てや人づきあいと似ていると思うんです。まあ、実際は子育てをしたことはないんですが……」

【プロフィール】
ヒロシ/1972年1月23日生まれ。熊本県出身。1995年からお笑い芸人として活動を始め、2004年頃、「ヒロシです。」のネタでブレーク。2015年にYouTubeに「ヒロシちゃんねる」を立ち上げ、ソロキャンプの動画をあげるように。主な著書に『ヒロシのソロキャンプ~自分で見つけるキャンプの流儀~』(学研プラス)など。10月6日からBS-TBSで『ヒロシのぼっちキャンプ Season2』が放送開始。

※女性セブン2020年10月8日号

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