合計712人の感染者を出したダイヤモンド・プリンセス号(写真/EPA=時事)
一方、このコロナ禍で、一般家庭でも寝具の需要が急増しているという。
「家にいる時間を充実させようという“巣ごもり消費”で、寝具が売れているんです。また、コロナ対策として衛生面を重視する傾向から、寝心地だけでなく、清潔さに重点を置いて寝具を選ぶ人が増えています」(消費行動に詳しいジャーナリスト)
実は昨年より、大手寝具メーカーは衛生面に特化した商品を市場に投入してきた。
西川は、布や空間の消臭・除菌スプレーの「ファブリーズ」と共同開発の寝具シリーズを販売している。「ファブリーズ」の検査機関にて基準をクリアした消臭・抗菌機能を持つ素材を使用した寝具で、気になる匂いや菌の繁殖を抑えるという。
フランスベッドも、除菌機能糸を表生地に採用したマットレス『Culiess Ag』の販売を始めた。銀イオンによる除菌機能を持つため、繰り返し洗濯をしても機能が落ちにくく、耐久性にも優れている。
寝具に対して清潔という新たなニーズが上がっているが、マットレスの中身が洗えるのはエアウィーブだけ。
なぜ洗うことができるのか。その秘密をエアウィーヴ代表取締役会長兼社長の高岡本州さんが明かす。
「エアウィーヴのマットレスは、通常のマットレスのようなスプリングやウレタンは使わず、エアファイバーという独自の樹脂製素材で構成されています。エアファイバーは水を吸収しないので、丸洗いできるのです」
たとえば、子供がおねしょをしエアファイバーまで染みたとしても、カバーは洗濯機で洗い、エアファイバーは風呂場でシャワーをかけて汚れを落とすことができる。常に清潔に保てるので、カビやダニの心配も無用だ。
「これまで“マットレスは洗えない”というのが当たり前でした。しかし、誤解を恐れずにいえば、家の中でもっとも汚いのがベッドではないでしょうか。マットレスは毎晩、汗や汚れを吸い込んでいるのに、何年も洗っていないわけですから。
エアウィーヴはもともと睡眠の質の向上をコンセプトにして開発した商品ですが、コロナによって清潔への意識が高まったことで、洗えるという特徴が大きなメリットとなり、需要は確実に伸びていると感じています」(前出・高岡さん)