石田とは『さよならをもう一度』(フジテレビ系)で共演も。自らの女優人生を振り返る自伝的著書『秋吉久美子 調書』(筑摩書房、共著・樋口尚文)を上梓
秋吉が振り返る。
「当時は“娘が不幸になるかもしれない”だなんて何を言っているのかとびっくりしたけれど、自分が66才になったら、『幸も不幸も交ぜて人生なんだ』って思えるようになった。すると石田くんの発言が何十年もの時を経て、急にストンと腑に落ちた(笑い)。彼は何も考えていないように見えて、実は深く考えているんじゃないかな」
石田と言えば、永遠に語り継がれるだろう「不倫は文化」騒動のほか、今回のコロナでも舌禍騒動があった。
秋吉も1979年に最初の結婚をした際、「子供はタマゴで産みたい」と発言してバッシングを受けた過去がある。
この発言の背景にも「熟考」があったと振り返る。
「当時は連続ドラマの主演で、朝7時から夜12時まで撮影していたんです。主演女優が出産で休んだら迷惑がかかるし、もし私が男だったらこんなことにはなっていなかった。そのやるせなさや申し訳なさを冗談交じりにオブラートに包んで発言したら、言葉だけ先行してしまった。私なりに考えての表現でしたが、なかなか意図を汲んでもらえませんでした」(秋吉)
だが、世の中の全員にわかってもらう必要なんてないからと秋吉は続ける。
「もし受け入れられなくて“みそっかす”になったって、それはそれで気楽で楽しいじゃない。そう思って生きています」
「ゴーイングマイウエー」を貫く29年生まれは今後どこへ向かうのか。楽しげな、でもしっかりした足取りから、これからも目が離せない。
※女性セブン2020年10月8日号