国内

菅義偉首相の父は「秋田のいちご王」 町会議員も務めた名士

菅首相の父和三郎さんは新聞で紹介されたことも

菅首相の父和三郎さんは新聞で紹介されたことも

 世襲政治家でない菅氏が、父親について言及することはほとんどない。しかしその実、政治家になる経緯において、父親ほど大きな影響を与えた存在は、恐らくいない。森功氏(ノンフィクション作家、『総理の影 菅義偉の正体』著者)がレポートする。(敬称略)

 * * *
「雪深い秋田の農家の長男として生まれ、地元で高校まで卒業いたしました。卒業後、すぐに農家を継ぐことに抵抗を感じ、就職のために東京に出てきました」

 3人の候補者のうち、最も遅く自民党総裁選の出馬表明をした菅義偉は、9月8日の所信発表演説会でそう切り出した。貧農村の田舎者が東京に出て苦労を重ね、総理大臣に手が届く地位までたどりついた……。そんなサクセスストーリーのアピールが功を奏したに相違ない。菅内閣の支持率は60~70%台にのり、史上3番目の人気で船出した。

 もっともこの苦労人物語には、虚飾が混じっている。さすがに気が引けたのか、近頃は上京の説明で「集団就職」というフレーズを使わなくなった。昨年4月まで自らのホームページの「すが義偉物語」の〈「自分自身の力を試したい」と思い立ち、集団就職で上京する〉とあった記述が、現在は〈……と思い立ち、家出同然で上京する〉という具合に変わっている。

 菅自身は高校の卒業時に東京の段ボール工場の働き口を斡旋されたから「集団就職」だと言ってきた。が、中学を卒業して大勢で就職列車に乗り込んで上京するそれとはだいぶ異なる。

 地元の秋田県立湯沢高校に通っていた菅は、両親から2人の姉と同じく高校教師になることを薦められた。のちの私のインタビューではそれが嫌だったと本人が語っていた。小、中、高校と同じ学校に通った元湯沢市議会議長の由利昌司は話した。

「大将(菅のこと)は大学に行くわけでもなく、何もやることがなかったのでしょう。毎日釣り三昧でした。朝起きたら、川に釣りに行くと言いだし、私も誘われた。で、親父さんは余計にカッカしてね。『おまえみたいなのは、農家を継げばいいんだ』となって、大将は反発したのさ」

関連記事

トピックス

“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン