芸能

韓国でも竹内さん訃報に衝撃 防止策行うも自殺者減らぬ現状

韓国でも人気が高かった竹内結子さん

 女優の竹内結子さんが9月27日、40才の若さで亡くなった。7月以降、三浦春馬さんに芦名星さん、藤木孝さんと、短い期間に有名芸能人が4人もこの世を去った。韓国では、昨年芸能人の自殺が相次いだこともあり、今回の悲報に大きな衝撃が広がっている。ソウル在住のKDDI総合研究所特別研究員・趙章恩さんが解説する。

 * * *
 竹内結子さんの悲報は、韓国でも衝撃的なニュースとして受け止められた。彼女が主演を務め、韓国でも大ヒットした映画『いま、会いにゆきます』は、2018年にソン・イェジンとソ・ジソブ主演でリメイク版が製作されたほど韓国人が好きな日本映画。韓国のケーブルテレビでは竹内結子さん主演の映画も多く放送しており、再婚や出産など、彼女の近況も記事になっていたほど知名度が高い。SNSでは、「清純とは何かを見せてくれた女優だった」、「あんなに純粋で素敵な笑顔を見せてくれる女優は他にいない」、「結子オンニ(お姉さん)のドラマが大好きだった。新作を楽しみにしていたのに…」など、悲報から一週間以上経った今も、追悼の書き込みが後を絶たない。

 韓国でも、2017年にボーイズグループ「SHINee」のジョンヒョンが早すぎる死を選び、国内外で大きな衝撃が広がった。また、昨年にもガールズグループ「f(x)」のソルリと、元「KARA」のHARAが20代の若さで命を絶った。HARAは日本での活動を再開し、亡くなる前日まで自身のSNSでファンとコミュニケーションしていただけに、突然の訃報にファンの悲しみは大きかった。

 著名人の自殺は、社会的に大きな影響を及ぼす。2008年、トップスターのチェ・ジンシルが命を絶った後の2か月間の自殺者は、前年同期と比べて790人も増加。2009年に盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が自殺した後も、その後の2か月間は前年と比べて2倍近く自殺者が増え、2017年にジョンヒョンが亡くなった時も、2018年の自殺者は前年比9.7%増の1207人に増えた。

 韓国自殺予防協会によると、著名人の自殺が新たな自殺を誘発する「ウェルテル効果」が要因として大きいという。日本でも、今年の8月の1か月間に自殺した人は全国で1854人にのぼり、前年同月比16%も増加している。特に30代以下の比較的若い世代の女性の自殺が同74%増と突出して多く、時期的に見て主にコロナの影響と考えらえているとはいえ、著名人の自殺も重なったことで、今後のウェルテル効果の懸念が広がっている。

 韓国の自殺率は人口10万人当たり24.7人(2018年)と長年OECD加盟国で1位。OECD加盟国平均である11.5人の2倍を超える自殺率で、官民が協力し合って数々の対策を講じてきたが自殺率は減らない。韓国メディアは、ウェルテル効果の対策として、自殺報道の際は「自殺」と報じず「極端な選択」または「死亡」と表現し、どこでどのような方法で亡くなったかなどの詳細は記事にしなくなった。また、インターネットが普及した1990年代からの傾向として、ネットでの悪質な書き込み「悪プル(アクプル)」が原因で亡くなったとされる芸能人が増えているため、韓国のニュースサイトは2019年10月から順に、芸能とスポーツニュースのコメント欄の閉鎖を決めた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト