「ここからまた負けている場面での起用が増えますが、11試合連続無失点に抑えるなど活躍しました。そうした中、8月2日の広島戦で、4対3とリードした8回表、勝ちパターンの3番手として登板しました。しかし、ロサリオに逆転2ランを浴び、1死も取れずに降板。ビハインドだと良い投球をするのに、勝ちパターンで投げると打たれる。ルーキーイヤー2戦目の巨人戦のこともあって、平田は勝負弱いというイメージも定着しつつありました」
中畑監督は、それでも平田にチャンスを与えた。8月5日の中日戦では先発・三浦大輔の後を受け、4対1と3点リードの8回裏に登板。しかし、1死を取っただけで降板。自責点4で敗戦投手になった。この3日後に登録抹消されるも、10日で復帰。3試合連続無失点を続け、8月25日の中日戦で1点リードの7回に登板した。だが、またもや同点に追い付かれてしまった。以降、2015年シーズンで勝ちゲームでの登板はなくなった。
「中畑監督は入団したばかりの平田を巨人戦に登板させ、無残な姿を晒させてしまったことを悔いて、その残像を払拭させたかったのかもしれません。なんとか一人前にしようという親心が見えました。しかし、同年で退任し、翌年はラミレス監督体制になったこともあってか、平田の出番はわずか4試合に留まりました。2017年は33試合に登板しましたが、敗戦1、ホールド1と重要な場面で任せられるという信頼は得られなかった。負けた試合では、延長10回に入って投手が不足してきた中で登板して、サヨナラ負けとなった。150キロを超える直球を持ち、スライダーも切れるのに、勝ちパターンで投げると打たれる投手というイメージを払拭できなかった」
2018年、平田にチャンスが巡ってくる。4月11日の巨人戦でプロ通算75試合目にして、初の先発マウンドに上がると、5回を無失点。6回表に筒香嘉智が先制2ランを放ち、勝ち投手の権利を得る。その裏にパットンが逆転を許し、プロ初勝利はならなかったが、合格点の結果を残した。しかし、翌週の日程が4試合しか組まれていないことで、平田は登録抹消され、1軍復帰後もリリーフのみの登板で、責任投手になることもホールドを上げることもなく、シーズンを終えた。
「昨年は8試合の登板しかなく、年齢的に考えても正念場の今年はラミレス監督の信頼を得て、勝ちゲームでも投げられるようになり、昨日の先発、プロ初勝利に繋がりました。それがプロ2試合目の登板で、大逆転を許した巨人戦だったことも感慨深い。まだ31歳ですし、これから大化けする可能性だってあります」