「長谷川家の何でも屋だった」と笑う川口さんは、町子さんの素顔をこう語る。
「町子先生は、サザエさんといじわるばあさんをドッキングさせたようなかただったとご説明すればわかりやすいかもしれません。海外旅行に行かれるとき、ぼくが町子先生を車で空港までお送りしたことがありました。到着して、荷物を見たら『アーッ! パスポート忘れた!』とおっしゃるんです」
まるで“財布を忘れて街まで出かけたサザエさん”そのものだ。川口さんが続ける。
「動物もお好きで、あるとき『川口くん、鳥小屋を作ってくれない?』と頼まれたことがあります。こちらとしては、材料を集めて、慣れないながらも一生懸命に作ったんですが、『アラ、買った方が安かったみたいね』とだけ一言(笑い)。言葉には、いつもユーモアがにじみ出ていました」
※女性セブン2020年10月22日号