KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳
介護施設が全自動卓を購入
しかし、逆風が吹いていないわけではない。不要不急の外出自粛が要請された期間は、雀荘も営業自粛を余儀なくされ、家賃の高い都心部では閉店に追い込まれる大型雀荘が相次いだ。
その一方で、「家庭用の全自動麻雀卓は昨年の4倍の売り上げでした」と明かすのは、麻雀用具販売の大手「ささき商事」の佐々木一春社長である。
「売り上げが落ちることを覚悟していましたが、気軽に雀荘に行けないことから、自宅で家族や仲間と麻雀をしようという方が増えましたね。また、カルチャーセンターや介護施設が購入してくださるケースもあります。当社が扱う最も安価な全自動卓でも7万9800円ですが、注文が殺到して入荷待ち状態です」
同社では健康麻雀教室を平日の昼間に開催しており、65歳ぐらいをメイン層に、多い日は60人近い人が卓を囲む。取材日は夫婦で参加しているケースが目立った。
「私は若い頃から、雀荘に通っていましたが、妻は家で嗜む程度。コロナで気軽に外出できないからこそ、感染対策のしっかりしたこの教室に来ようと誘いました。(ノーレートの)健康麻雀でも牌を握れば真剣モード。6月から週に2回通っています」(夫婦で参加した団塊世代の男性)
ある人は認知症予防に、ある人は仲間との会話を楽しむために、麻雀卓を囲む。同社ではコロナ対策として飛沫が飛ばないようにする衝立「ジャンシールド」を独自開発。6月の発売開始から既に600台以上売れたという。また麻雀牌専用の除菌スプレー「スッキリーチ」も好評だ。