ミッドライフクライシスを避けるため、地域の活動や祭りなどにも参加を(諏訪の奇祭「御柱祭」。御柱に乗る鎌田氏)

ミッドライフクライシスを避けるため、地域の活動や祭りなどにも参加を(諏訪の奇祭「御柱祭」。御柱に乗る鎌田氏)

ポジティブな「世代性」とネガティブな「停滞」の拮抗

 発達心理学者のエリク・H・エリクソンは、ライフサイクル・モデルという考え方を示した。

 彼は、人生を乳児期から老年期まで8段階に分けた。そして、人間は、この段階ごとの発達課題をクリアしながら発達していくと考えた。

 この積み重ねは、飛び級ができない。だから、青年期にしておくべき「アイデンティティの確立」ができていないと、中年になっても青春時代を引きずることになる。

 エリクソンは、ミッドライフクライシスが起こりやすい成人後期の特徴として、ポジティブな「世代性」とネガティブな「停滞」の拮抗を挙げている。人生の下り坂は、成長がゆっくりになって停滞するけれど、それは同時に、若い世代を育てる、バトンをつなぐというプラスの面ももっているということだ。

 ぼく自身のことを振り返ってみると、確かにそう思う。障害のある人たち約200人と一緒に、ハワイや台湾など外国を旅行したり、イラクやチェルノブイリの子どもの医療支援に取り組んだりしてきたのは、誰かを助けたいと思ってやっていた。

 だが、実は、自分の経験を違う世代の人たちに伝えることで、ぼく自身が救われていたのかもしれない。誰もが限りある命を生きているなかで、次世代に伝える、次世代の役に立つということが大きな喜びになることに、エリクソンを読んで初めて気が付いた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
イエローキャブの筆頭格として活躍したかとうれいこ
【生放送中に寝たことも】かとうれいこが語るイエローキャブ時代 忙しすぎて「移動の車で寝ていた」
NEWSポストセブン
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン