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巨人失速の要因は“終盤四奉行”の不在 日本シリーズに不安も

中川皓太をはじめ、終盤で頼りになる選手の不在が響く(時事通信フォト)

 巨人が優勝へ足踏みを繰り返している。9月15日にマジック38を点灯させ、わずか1週間強で10も減らした当時の強さが嘘のようだ。10月は9勝13敗2分(28日現在)と負け越している。気づけば、パ・リーグでロッテとデッドヒートを繰り広げていたソフトバンクの方が先に優勝を決めてしまった。野球担当記者が話す。

「スタメンでも代打の切り札でも使える亀井善行、右打者をシュートで詰まらせる中継ぎの大竹寛、セットアッパーの中川皓太、代走のスペシャリスト増田大輝を同時に欠いたことで、試合終盤の戦い方に苦戦を強いられた。増田は25日に復帰しましたが、亀井、大竹、中川はまだ昇格できていない。“終盤四奉行”の不在がチームの失速の原因です」

 亀井が9月25日、大竹が9月27日、中川が10月9日、増田が10月13日にケガで登録を抹消された。4人を欠いた13日から24日までは3勝5敗2分。中川が1軍からいなくなってからは、4勝9敗1分となっている。16日のDeNA戦では1対0とリードした8回裏に大江竜聖、ビエイラが打たれ、逆転負け。17日のDeNA戦でも6回まで5対0と大量リードも、7回、8回に10点を失って敗れた。20日のヤクルト戦では、1対0の9回裏に守護神・デラロサが乱調。後を継いだ大江、田中豊樹も抑えられず、広島の森下暢仁と新人王争い中の戸郷翔征の勝ち星を消してしまった。

「いずれも、中川や大竹がいれば勝っていた試合だったのではないか。27日、28日のDeNA戦でも8回にダメ押しの失点を許し、試合を決められてしまった。2人がいないことで、今まで6回、7回を投げていた中継ぎが7回、8回に回り、今までビハインドで投げていた中継ぎが競っている場面で投げ、負けている試合では今季、2軍生活が長かった投手がマウンドに上がっている。シーズン終盤という時期も、疲労を増しているでしょう」

 中川は1.00、大竹は1.64と驚異の防御率1点台だっただけに、2人の離脱はあまりに痛い。打者で言えば、亀井や増田大輝の不在が響いた。

「左の代打が不足しているし、今のようなチーム状態の悪い時に亀井がスタメンで入れば、雰囲気を変えられる。去年の阿部慎之助のような役割を期待できた。ベテランならではのチームに与える安心感もある。また、増田の抹消中は、終盤の勝負所でピンチランナーが盗塁できなかった。15日の広島戦、同点の延長10回裏に1死1塁で原監督はバントを選択。21日のヤクルト戦、1点リードを許している9回表、1死から坂本勇人が出塁して代走・吉川大幾を送ったが、盗塁はできず。24日の阪神戦でも、1点を追う8回、9回に1塁ランナーに代走を出しましたが、仕掛けられなかった。増田がいたからといって、いつも盗塁できるわけではありません。しかし、相手へのプレッシャーが相当変わってくる」

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