千葉にある「藤本敏夫記念館」

「お風呂に家庭用サウナがあり、そこで本を読むんです。実用書のときもあれば、小説を読むときもあります。その後、電気を消して10分間ろうそく(小さなキャンドル)をともして湯船につかるの。10分間ゆっくりね。これで一日が終了。“今日もルーティンができた”と満足して布団に入るときは、どれほど快適か(笑い)。どんなに忙しくても、このルーティンによって自分をリセットできるんです」

 もう1つ、加藤が気づいたのは、「熱中すること」の大切さだ。時間に余裕のあった自粛中に見つけた「洋服のリメイク」という趣味は、いまやいちばんの楽しみだと語る。

「母が洋裁をやっていましたから、ちょっとしたコツは子供のとき母の横について教わっていたんです。チクチク針を動かすのは本当に気持ちがいい。朝から晩までチクチクやって、『あの服とあの服を組み合わせたら素敵ね』と思いついたら、お風呂に入っていても裸のまんま出てきてやってみる(笑い)。これこそ、ひとり暮らしだからできることよね。誰かと暮らさなきゃならない人には申し訳ないんだけど、ひとりっていうのはあまりにも快適。やみつきになります」

 若いときとは違い、年齢を重ねることで本当の意味の「自由」を楽しめるようになる。歌手として55年間ステージに立ち続けてきた加藤は、1人で生きる力「1人力」のおかげで人生を楽しめているという。

「芸能界でも、若い頃の方が周りから担がれ、がんじがらめにされて思うようにいかないものです。樹木希林さんは、お仕事のブッキングなども『全部自分でやる』とおっしゃっていましたが、私もその考え方が好きです。

 シャンソン歌手というのは、死ぬ直前までステージに立ち、歌います。みんな年齢を重ねながら自身を表現するやり方を見つけて、その時々の自分を歌で表現してきた歴史があります。私も、いまそのときの自分を楽しんで、ステージに立ちたいと思います」

 表現者は、何才になっても自分を輝かせる方法をよく知っている。

撮影/関谷智幸

※女性セブン2020年11月5・12日号

藤本さんの蔵書が並ぶ書斎

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