スポーツ

規定打席ギリギリで首位打者獲得 81年阪神・藤田平の執念

巨人の篠塚氏、阪神の藤田氏の首位打者争いの裏側(写真は篠塚氏、時事通信フォト)

巨人の篠塚、阪神の藤田の首位打者争いの裏側(写真は篠塚氏。時事通信フォト)

 プロ野球もシーズン終盤。タイトル争いも盛り上がりを見せている。そこで、記憶に残る首位打者争いを振り返る──。

 1981年プロ野球ペナントレース終盤、3割5分7厘でシーズンを終えた巨人の篠塚利夫(現・和典)に立ちはだかったのが阪神の藤田平。残り2試合で篠塚を2厘上回っていたが、シーズン途中に欠場したため規定打席に5打席足りなかった。出場を余儀なくされた藤田は最終戦でヒットを放って首位打者となった。当時の真相を藤田氏本人が明かす。

 * * *
 チーム内に流行した結膜炎の影響で20試合ほど欠場し、最終戦のダブルヘッダーで規定打席にギリギリ到達する状況でした。

 しかし出場だけではダメ。ダブルヘッダーで5打席立てば規定打数に届くけど、首位打者になるには、5打席でヒット1本と四球がひとつ必要な状況でした。

 マスコミが騒いで相当な重圧がかかりましたが、第1試合の最初の打席でセンター前にヒットを打って気が楽になり、4打席目に四球を選びました。第2試合はヒットでもアウトでもよかったので、1度だけバッターボックスに立ち、規定打席に到達したらすぐベンチに下がった。

 こんなチャンスは二度とないと思っていたので、何としてもタイトルを取りたかった。

 幸運だったのは、最後の相手が大洋だったこと。もし相手が巨人だったら、篠塚に追いつけなかったかもしれない。この年は巨人戦が早い段階で終了していたので、タイトル獲得の追い風になりました。

※週刊ポスト2020年11月6・13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン