高齢者の主な発熱原因
かかりつけ医がいない場合は地域の保健所に問い合わせを。新型コロナ感染に関しては厚生労働省の電話相談窓口、居住地の都道府県、市区町村の帰国者・接触者相談センター(受診相談窓口)などの連絡先を控えておくといい。
終末期治療について話し合うきっかけにも
未曽有のコロナ禍で迎えるこの冬、老親を持つ家族としては、慌てないよう、また無用な混乱に巻き込まれて治療が遅れないよう充分な情報収集と冷静な行動が大切だ。
「高齢者は重症化のリスクが高いといわれる新型コロナですが、90代で感染して入院療養し、無事退院する人もいます。過剰に恐れず基本的な対策をしながら、食事、睡眠、運動など健康的な日常生活を丁寧に過ごすことも大切です。
一方で高齢ともなれば新型コロナやインフルエンザ、嚥下性肺炎などが命を奪うきっかけになることもあります。これらで入院する場合、高齢者には病院側から延命治療について問われます。近年の内閣府の調査でも多くの人が無理な延命を望んでいないにもかかわらず、その気持ちを家族間で共有していないために、いざというとき家族が迷う場面は少なくありません。この機会にじっくり向き合って考え、家族間で話してみてはいかがでしょう」
【プロフィール】
岩切理歌さん/東京都健康長寿医療センター・高齢診療科部長。内科一般、血液疾患、老年医学を専門とし、総合内科、高齢診療科外来、ポリファーマシー外来などを担当する。日本内科学会総合内科専門医・指導医。日本血液学会血液専門医。日本老年病学会認定老年病専門医。
■取材・文/斉藤直子 ■イラスト/鈴木みゆき
※女性セブン2020年11月19日号