どうしても、きれいな話にしたいらしい。実際、大人のお付き合いに至っていないために、こういう言い訳ができると考えている節もある。だからといって完全に開き直っているのとも違う。だから、自分が世間からどう見られているか、の自覚もある。
「知らない人から見たら悪いジジイに見られちゃうよね(笑)。でも、真摯に付き合っているし、お金はしっかり渡しているし、深入りはしない。もっとも、以前はパパ活なんて言わなくて、女の子もこっそりやっていた。でも、世の中が貧乏になったのかな。パパ活って言葉が流行りだして、女の子も、パパも変なのが増えた。援助交際と変わらなくはなってきているかな」(広田さん)
パパ活について、肯定もしなければ否定もしない広田さんも、最近の傾向には懸念を示す。女性はただ金づるとしての「パパ」を探し求め、パパは肉体を消費する目的で女性を探す。かつての「パパ活」は女性側にも男性側にも、もう少しの「節度」があったと言い、警鐘を鳴らす。
「相手の男を金だと思って向かって行ったら、男はあなたのことを肉体としてしか見てこない。これだと単なる売春だし、絶対にトラブルが起きる。お互い人間なんだし、たとえ金銭が介在する仲でも、秘密を守りあいながら尊重しあえる関係を作るのが『パパ活』なんだよね」(広田さん)
筆者のような凡人には、わかったようなわからないような妙な理屈ではある。だがこの広田さんの行動が「パパ活」ではなく、「アイドルとファン」とか、「タニマチ」などと言われる範囲の活動だったら、ここまで違和感は抱かなかっただろう。だが、そこには「パパ活」と比べて、もっと親しい関係が現実的になるスキがないのだ。露骨に関係を迫ることには抵抗があり、といって他の応援する人たちの中に埋もれたくない。そんな複雑な思いを持ちつつ若い女性とふれあいたい、そんな男性が「パパ活」を楽しんでいるのかもしれない。
とはいえ、広田さんが嘆くように、より直接的な関係を目指したパパ活が増えているのも現実なのだろう。社会全体が経済的に困窮するのに合わせて、パパ活が意味するところも、目的も、変化の時を迎えているようだ。