抽選も親方たちが担当(撮影/雑誌協会)
「では、正面からいきます。桝席3列目の15番!」といった声がかかると、客席からは当選者の「は~い」と喜ぶ声が響く。呼ばれた観客から返事がないと、「不在のようなので引き直します」とアナウンスが流れ、また歓声があがる。取材した日は、5人目の当選者の座席番号が発表され、正面の観客が席を立って帰り始めようとすると、呼ばれた番号が不在。すると、歓声とともに正面の観客がぞろぞろと席に戻り始めた。
5人目までの抽選が終わると正面の観客たちが退席し、次に向正面の抽選に移る。これを4回繰り返してお開きとなる。当選者はエントランスで景品を手渡されるのだが、ここでも現役を退いたばかりの武隈親方(元大関・豪栄道)や荒汐親方(元前頭・蒼国来)がプレゼンターを務め、国技館に足を運んだ熱心なファンたちに好評だ。
客席も大いに盛り上がる(撮影/雑誌協会)
取組中は大声での応援を控え、力士の四股名がプリントされたタオルを掲げる、あるいは拍手での応援が推奨されていることもあり、むしろ打ち出し後の抽選会イベントのほうが盛り上がっているようにさえ見えた。こうしたファンサービスで、2横綱、2大関が休場してしまうという大きな穴を埋められたなら良いのだが。