ライフ

鎌田實医師が提唱 上手に糖質を摂るための3つのポイント

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自粛生活で、自宅で食事をとる回数が増えたという人も多いだろう。そんなとき、つい簡単に作れてお腹がいっぱいになるメニューばかりになりがちだが、健康を考えるとそれではあまりよくない。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、内臓脂肪をため込まない、ちょっとした食べ方の工夫を解説する。

 * * *
 コロナ禍のなか、家庭でチャーハンや焼きそば、炊き込みご飯、お好み焼きなどを作る機会が増えたという。簡単に作れて、お腹一杯になるので、便利なメニューだ。

 しかし、糖質のとりすぎが気になる。こうした食事が続けば、内臓脂肪がたまってしまう。家族のだんらんが増えたのはいいが、内臓脂肪が増えたのでは笑えない。

 ぼくは以前から「ちょい太」がいいと言ってきたが、肥満もタイプと程度によっては問題だ。

 脂肪には、主に2つのタイプがある。女性にたまりやすいと言われている皮下脂肪と、男性にたまりやすいと言われている内臓脂肪だ。皮下脂肪は洋ナシ型肥満、内臓脂肪はリンゴ型肥満とも言われている。内臓脂肪が増えると、血液がドロドロになって血圧が上がり、脳梗塞や心筋梗塞などが起きやすくなる。内臓脂肪は、満腹感をもたらしてくれるレプチンというホルモンが分泌されにくくなるために、ついつい食べ過ぎになり、肥満を悪化させていく。

 さらに、内臓脂肪があると血糖値が上がりやすい。内臓脂肪がインスリンの働きを阻害すると同時に、長寿ホルモンと言われているアディポネクチンの分泌量を減らすので、血糖値が上がりやすくなり、糖尿病になりやすい。

 サイトカインという炎症物質が分泌されるために、血管炎を起こし、動脈硬化を起こしやすくする。悪玉コレステロールが作られ、さらに動脈硬化を進行させる超悪玉コレステロールも作られる。このように内臓脂肪があることによってさまざまな悪循環が起きて、脳梗塞や心臓病、大動脈瘤、腎機能の低下などが起きてくる。質が悪い脂肪である。

 もう一つ厄介な脂肪がある。異所性脂肪だ。これは、内臓脂肪がたまっていくのと同時に、本来はないはずのところに脂肪がついてしまうもの。週刊ポストの読者にとって一番気がかりなのは、脂肪肝だろう。

 脂肪肝は推定1000万人から2000万人いると言われている。脂肪肝を20年放置すると、1~2割の人が肝硬変に移行し、肝硬変になった人の5%が肝臓がんを発症するといわれている。

 以前は、肝臓がんというとウイルス肝炎が主な原因だったが、抗ウイルス薬が作られたために、だいぶ減らすことができた。それに対し、今、肝臓がんの半分近くが脂肪肝から発生していることがわかってきた。

 脂肪肝にならないためにも、内臓脂肪を減らすことが重要になる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子夫人は「エリー・タハリ」のスーツを着用
大谷翔平、チャリティーイベントでのファッションが物議 オーバーサイズのスーツ着用で評価は散々、“ダサい”イメージ定着の危機
女性セブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン
社会人になられて初めて御料牧場でご静養された愛子さま(写真/JMPA)
愛子さま、社会人になられて初めて御料牧場でご静養 “新天地”でのお疲れを癒されて
女性セブン
氷川きよしが独立
《真相スクープ》氷川きよしが事務所退所&活動再開 “独立金”3億円を払ってでも再出発したかった強い思い
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者(51)。ストーカー規制法違反容疑の前科もあるという
《新宿タワマン刺殺事件》「助けて!」18階まで届いた女性の叫び声「カネ返せ、カネの問題だろ」無慈悲に刺し続けたストーカー男は愛車1500万円以上を売却していた
NEWSポストセブン
大越健介氏が新作について語る(撮影/村井香)
『報ステ』キャスター・大越健介氏インタビュー「悩んだり、堂々巡りする姿を見せることもキャスターの仕事の1つだと思っています」
週刊ポスト
5月8日、報道を受けて、取材に応じる日本維新の会の中条きよし参議院議員(時事通信フォト)
「高利貸し」疑惑に反論の中条きよし議員 「金利60%で1000万円」契約書が物語る“義理人情”とは思えない貸し付けの実態
NEWSポストセブン
宮沢りえの恩師・唐十郎さん
【哀悼秘話】宮沢りえ、恩師・唐十郎さんへの熱い追悼メッセージ 唐さんの作品との出会いは「人生最高の宝物」 30年にわたる“芸の交流”
女性セブン
殺害された宝島さん夫婦の長女内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)
【むかつくっすよ】那須2遺体の首謀者・関根誠端容疑者 近隣ともトラブル「殴っておけば…」 長女内縁の夫が被害夫婦に近づいた理由
NEWSポストセブン
初となる「頂上鼎談」がついに実現!(右から江夏豊、田淵幸一、掛布雅之)
【江夏豊×田淵幸一×掛布雅之の初鼎談】ライバルたちが見た長嶋茂雄秘話「俺のミットを“カンニング”するんだよ」「バッターボックスから出てるんだよ」
週刊ポスト
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
曙と真剣交際していたが婚約破棄になった相原勇
《曙さん訃報後ブログ更新が途絶えて》元婚約者・相原勇、沈黙の背景に「わたしの人生を生きる」7年前の“電撃和解”
NEWSポストセブン