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コロナ第3波 年末年始の大規模イベントは無観客の可能性も

菅首相と小池都知事は“密”に対策をとろうとしている(時事通信フォト)

菅首相と小池都知事は“密”に対策をとろうとしている(時事通信フォト)

 一向に衰える気配の無い新型コロナウイルス。第3波は日本だけでなく、世界を襲っている。感染の勢いが衰えず、過去最多の感染者数の更新が続くアメリカでは、各州で続々と外出自粛や店舗の営業短縮などの規制が発出され、オーストリアは12月6日まで全土をロックダウン(都市封鎖)する。ロックダウンを避けて独自路線を取ってきたスウェーデンも感染拡大に耐え切れず、9人以上の集会やジム、外食などの中止に踏み切った。

 気になるのは、日本でも外出規制や営業自粛要請のような措置が取られるかどうかだ。

「すでに東京などの自治体は第1波、第2波で対策の財源を使い切っていて、独自の対策を取りにくい。もう地方には、自粛を求めるだけのカネがないんです。菅総理がGo To見直しは自治体に任せると打ち出した直後、小池百合子都知事が、『国が責任を持って判断すべき』と猛反発したのは、国と自治体のどちらがカネを出すかという“綱引き”に過ぎない。いずれ、国がカネを出す形で首長らが納得し、それぞれの自治体主導で措置が打ち出されることになるでしょう」(官邸関係者)

 感染拡大状況は都市部とそれ以外で極端に違うので、全国一律の規制はやりづらい。今後は地域の状況に応じた「局地的ロックダウン」が想定される。

 ドイツやスペイン、イギリスではすでに7月から各地域の判断で行われており、国内でも北海道では札幌市を対象に11月17日から27日まで不要不急の外出などの自粛要請が出た。大阪府も27日から15日間、大阪市内の飲食店を対象に、営業時間を21時までに短縮するよう要請することを決めた。東京都も酒などを提供する飲食店に対し、11月28日から20日間の営業時間を22時までに短縮することを要請した。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんはいう。

「局地的なロックダウンは全国封鎖による経済的ダメージを軽減しつつ、ピンポイントで感染拡大が抑えられ、なおかつ費用がそれほどかからない利点があります。このまま感染者が増えれば、12月から全国各地で局地的ロックダウンが行われるかもしれません」

 昭和大学客員教授(感染症)の二木芳人さんが今後の感染拡大を予測する。

「国はようやくGo Toを見直しましたが、少なくとも12月の第1週までは感染者の増加傾向が続くと予想されます。そのまま感染者増に歯止めがかからなければ、クリスマスもお正月も都市部在住者にはステイホームが求められるはずです」

「大型17連休でステイホーム」も検討中

 例年なら年末年始に向けて、クリスマスや忘年会などのイベントが目白押しだが、今年は寂しい師走になりそうだ。

「国は11月末までとされていたイベント開催の収容人数の制限を来年2月まで延長することを発表しました。ただし、Go Toのように方針がコロコロ変わることも想定内。年末の格闘技やスポーツなどのイベント、クリスマスコンサートや音楽フェスなどカウントダウンイベントも次々と無観客になる可能性もあります」(前出・官邸関係者)

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